「PNI」画像として捉えられた共鳴線

偏極核画像化法(PNI)と呼ばれるこの手法では、少量の放射性トレーサーを系に導入し、次に従来型の核磁気共鳴(NMR)法によってその偏極を操作する。
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今回開発されたPNI技術のための装置。

Credit: Gordon Cates

今回Y Zhengたちは、核スピンを操作する磁気共鳴画像化の能力とγ線検出器の高い感度を組み合わせた、新しい画像化・分光法を考案している。

偏極核画像化法(polarized nuclear imaging;PNI)と呼ばれるこの手法では、少量の放射性トレーサーを系に導入し、次に従来型の核磁気共鳴(NMR)法によってその偏極を操作する。しかしPNIは、こうしたトレーサーに伴う弱い高周波信号を検出するのではなく、高度に偏極した核から放出される異方的なγ線を測定することによって機能し、単一のγ線を検出できるため、必要なトレーサーの量は、従来型のNMR信号検出に比べて極めて少ない。

今回の新しい手法は、非生物学的な画像化と分光にすぐにでも応用できると思われ、おそらくいずれは医学診断に使われる可能性がある。

Nature537, 7622

2016年9月29日

doi:10.1038/nature19775

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