世界保健機関(WHO)の専門機関が、排ガスなどに含まれる微粒子物質「PM2.5」などの大気汚染物質による発がんリスクを最高レベルに分類したと発表した。MSN産経ニュースが報じた。
世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン、IARC)は17日、微小粒子状物質「PM2・5」など大気汚染物質による発がんリスクを5段階の危険度のうち最高レベルに分類したと発表した。
(MSN産経ニュース『「PM2・5」に最高レベルの発がん性 WHO専門組織が警告』より 2013/10/18 11:04)
今回の発表には科学的な根拠があるとして、中国などの新興国で深刻化する大気汚染に対し、国際社会が早急に対策をとるように求めたという。
IARCは過去数十年にわたり、100万人以上を対象に研究を実施。汚染された空気と肺がんなどの発症に「十分な科学的根拠がある」と結論付けた。2010年に世界で22万3000人が汚れた空気を原因とする肺がんで死亡したと推計した。
(時事ドットコム「大気汚染「がんの原因」=因果関係、初めて認定-WHO」より 2013/10/18 00:59)
急速な工業化が進む中国では、9月末から「PM2・5」の濃度が6段階の基準で最悪レベルとなる「深刻な汚染」が何度か観測されていた。10月6日の北京市では、最も高い中国国際貿易センターの高層部が完全にスモッグに覆い隠されていたという。
この結論をうけて、北京市では健康被害を心配する声が相次いでいる。40代の女性は以下のようにコメントしたという。
中国東北部から旅行で訪れたという40歳代の女性は「体に影響が出るというのだから政府も市民も関心を持って取り組まなければいけないと思います。ただ、お金があれば外国に住みたいくらいです」と話していました。
(NHKニュース「WHO PM2.5に発がん性」より 2013/10/17 21:39)
中国財政省は14日、50億元(約804億円)を投入して北京市などの汚染対策に取り組むことを発表。また、中国では、石炭利用の先減やガソリンの品質向上などの対策を進め、2017年までに大気汚染物質の濃度を10%以上下げる行動計画を発表している。
中国から越境するPM2.5による日本への影響について、環境省は今年2月に暫定的な指針を発表している。
一日の平均濃度が1立方メートル当たり70マイクログラムを超えると健康に影響を与えるおそれがあるとして、この数値を超えると予測された場合、都道府県などが住民に外出などを控えるよう注意喚起するとした暫定的な指針をまとめました。
(同上)
※PM2.5などの大気汚染物質について「発がん性がある」と発表されました。深刻化する大気汚染についてどう思いますか? あなたの意見をお聞かせください。
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