近い将来、コーラやビールが植物からできたボトルに入って届くようになるかもしれない。
オランダの企業アバンティウムが、植物からできたボトル製造への大型投資を、2020年内に開始する予定だとガーディアンに語った。
すでに、コカコーラやカールスバーグ、ダノンといった大手企業が、この「ペーパーボトルプロジェクト」へのサポートを表明しているという。
イブニング・スタンダードによると、これはスウェーデンの包装資材企業BillerudKorsnäsとオーストリアのボトル製造企業ALPLAが立ち上げたペーパーボトル製造企業「Paboco」との、共同プロジェクトだ。
ペットボトルは、石油からつくられるポリエチレンテレフタレート(PET)と呼ばれる樹脂から作られている。
しかし、アバンティウムらが作るボトルには植物の糖から作られた、ポリエチレンフラノエート(PEF)というプラスチックが使われている。
アバンティウム最高責任者のトム・ヴァン・エイケン氏は「このプラスチックには、魅力的な持続可能性があります。石油を使いませんし、リサイクル可能です。また、普通のプラスチックよりずっと早く分解されて、自然に戻ります」とガーディアンに説明する。
リサイクルするのが理想だが、コンポスターを使うと1年で分解され、屋外に置いたままの状態だと数年で分解されるという。
ビールやコーラのような炭酸飲料も入れられ、2023年までには店頭に並ぶ予定だ。
■プラスチックゴミの解決につながる?
大量のプラスチックゴミが、世界中で問題になっている。中でも深刻なのが、プラスチック廃棄物による海洋汚染だ。
東京農工大学の高田秀重教授は、「プラスチックは自然分解されないので、海に流出したプラスチックは、紫外線などにより微細なマイクロプラスチックとなり、海洋全体に漂い続けています。それにより、小魚などに取り込まれ、生態系に悪影響を及ぼしています」と2019年のハフポストの番組で語っている。
世界中の企業や自治体がプラスチックゴミ削減問題に取り組む中、この植物製のボトルがどんな影響を与えるのか注目が集まる。