中国・北京の病院で肺ペストの感染者が出ていたことが明らかになった。共産党機関紙「人民日報」などが報じた。感染したのは2人で、このうち1人は重い症状だという。
WHOによると、肺ペストは治療を怠った場合、高い確率で死に至る。一方で、国の感染症予防センターは「感染が拡大する可能性は極めて低い」と呼びかけている。
■「感染心配ない」呼びかけ
現地メディアなどによると、感染したのは中国・内モンゴル自治区出身の2人。11月12日に北京市内の病院で感染が発覚し、現在隔離された上で治療を受けている。1人の症状は安定しているが、もう1人は「重い症状」だという。
東京都感染症情報センターの公式サイトによると、ペストは菌を保有するネズミなどのげっ歯類からノミを介して感染する。感染のほとんどが「腺ペスト」で、肺ペストの割合は少ない。WHOによると、治療を怠ると高い確率で死に至る。
北京の地元当局では、専門家によるチームを結成し対応に当たっている。直近で感染者と接触した人も一旦隔離したうえで検査を行なっているが、これまでに発熱したなどの情報は入っていない。
中国の感染症予防センターは、感染者が内モンゴル出身であることから「北京市内の自然環境にペスト菌が存在するわけではなく、感染リスクについて心配する必要はない」とし、「感染した2人が立ち寄った場所はすでに消毒を終えていて、感染が拡大する可能性は極めて低い」と呼びかけている。