高校野球の甲子園大会で春夏計7度の優勝を誇るPL学園(大阪)が、2015年度は硬式野球部の新入部員の受け入れを行わないことが10月11日、分かった。2016年度以降に受け入れを再開するかどうかは未定で、将来的な部の存続自体も不透明な状況だという。47NEWSなどが報じた。
PL学園は不祥事によって昨年2月から6カ月間の対外試合禁止処分を受け、当時の監督が退任。新監督選びは難航し、昨秋の近畿大会から野球未経験の正井一真校長が監督登録でベンチ入りし、実質的に監督不在の状況が続いている。
(PL、新入部員募集せず 再来年度以降は未定 - 47NEWS 2014/10/11 12:41)
毎日新聞によると、同校の理事会は9日、保護者400人に対し、小野久彦・学校法人ピーエル学園理事長と、正井一真・PL学園中・高校長の連名で文書を配布。文面では「このまま新たに硬式野球部の新規部員を受け入れることは、本校の教育責任を十分に果たすことができず、PL学園の教育指針に反すると判断した」と説明しているという。
PL学園野球部は、元巨人の清原和博さんや桑田真澄さんなどのプロ野球選手も輩出している強豪校だが、部員間による暴力やいじめが繰り返し問題となっていた。
同校野球部は、昨年2月に寮内で2年生部員4人(当時)が1年生部員(同)に暴力を振るったとして6カ月の対外試合禁止処分を受け、昨年4月に監督が退任した。以降、専任の監督不在が続いているが、次期監督の選出が難航している。
(PL学園高:野球部の募集停止 選任監督不在で来年度 - 毎日新聞 2014/10/11 13:20)
2013年の監督退任以降、新しい監督の選任が難航しているのは、PL学園の母体である、PL教団の体制が変化したことも影響しているという。産経ニュースは次のように伝えている。
母体のPL教団は1970年代から甲子園出場時にはアルプス席で人文字を作るなど、教団の広告塔として野球部を支えてきた。複数の関係者によると、ここ数年で教団内の体制が変わり、トラブル続きの野球部に対して厳しい姿勢で臨むようになっていた。プロ野球に進んだ多くのOBや保護者からは監督擁立を求める声が相次いだが、学校側は教団を信仰していることを条件としたため難航。野球経験のない正井校長がユニホームを着てベンチ入りし、選手がサインを出す異例の状況が続いていた。
(PL学園野球部が廃部危機、新年度の部員受け入れ停止へ 桑田や清原、マエケンら輩出の名門 - 産経WEST 2014/10/11 08:30)
しかし、監督の実質不在という状況下にありながら、2014年夏の選手権大阪大会では決勝へ進出。秋の大阪府大会でも準優勝し、2015年春の選抜大会の参考資料となる近畿大会への出場も決定していた。
PL学園野球部のOBで元ヤクルトの宮本慎也さんは「驚いています。寂しいという言葉では整理ができない。僕の基本になっているのは、あの時頑張れたから今があるという気持ちなので」と話したという。
■PL学園硬式野球部とは
PL学園の硬式野球部は1956年に創部。甲子園に春夏合わせ37回出場。桑田真澄投手、清原和博選手のKKコンビを擁した1983年夏と85年夏に全国制覇を果たし、87年には春夏連覇。2009年に春夏連続出場したのを最後に甲子園に出ていない。前田健太投手(広島)、福留孝介選手(阪神)ら多くのプロ野球選手を輩出している。
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