435日ぶりの発見が人々を勇気づける。新型コロナで飛べなくなった飛行機に残された手紙

「もしあなたがこの手紙を手にしているのであれば、トンネルの終わりに差しかかって、光が差し始めたということなのでしょう」
|
Open Image Modal
イメージ画像
DaveAlan via Getty Images

砂漠の空港に並ぶ、飛べなくなった飛行機。 

その光景にショックを受けたパイロットが残した手紙が、希望の光になっている。

デルタ航空の副操縦士であるクリス・デニスさんは2020年3月、サザンカリフォルニア・ロジスティック空港の格納庫に飛行機を駐機させた。

カリフォルニア州南部の砂漠にあるこの空港は当時、新型コロナウイルスの影響で飛行中止になった航空機の一時的な駐機場として使われていた。

 

 

空港には多くの飛行機が駐機していた。それを見て衝撃を受けたデニスさんは、いつかまたこの飛行機を空に飛ばしてくれるであろうパイロットに向けて、次のような手紙を書き、コックピットの折り畳みトレーに残した。

「パイロットのあなたへ、今日は3月23日です。私たちはちょうど今ミネアポリス・セントポール国際空港から到着しました。これほど多くの飛行機がここにとまっているのをいるのを見ると、ゾッとした気持ちになります」

「もしあなたがこの手紙を手にしているのであれば、トンネルの終わりに差しかかって、光が差し始めたということなのでしょう。こんなにあっという間に何もかもが変わってしまうなんて。飛行機を格納庫から出し、どうか安全な飛行をしてください」

 

飛行機を格納庫に駐機させた時、デニスさんはロックダウンは2週間だろうと聞いていた。

その2週間でさえ、かなり長いと考えて残した手紙だったが、同僚のパイロットが手紙を手にするのには、435日が必要だった。

435日経った2001年6月、飛行機を再稼働させようとした副操縦士のニック・ペレスさんがこの手紙を見つけた。

手紙に書かれていたメッセージを読んだペレスさんは、当時の自分の気持ちを振り返って、「デニスさんは仕事を失う不安も感じていたのではないか」と、述べている

「彼は仕事を辞めなければいけないかもしれないと考えたはずです。私自身はあの3月、100%仕事を失うだろうと思っていました」

しかし今、ペレスさんは、目の前にランウェイが広がっていることに喜びを感じている。

「私たちは、乗客が一人もいない飛行機を何機も着陸させていました。でも今、私たちは良い方向に向かっていると感じます。とても元気付けられ、前向きな気持ちです」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。