ブタなのかタヌキなのか、それが問題だ……。
3月20日、Twitterに投稿された1枚の写真にネットユーザーが騒然とした。「地元のとんかつ屋にいる豚に改造された狸」というキャプションとともに、信楽焼のタヌキ像そっくりのブタの焼き物の姿が撮影されていた。
「タヌキだから化けたのかな」「闇を感じる表情」「言葉が出ない面白さ」と反響が広がり、22日午後7時現在、10万回以上もリツイートされた。
ハフポスト日本版は、このとんかつ店が東京・蒲田にあることを突き止めた。3月22日に現地取材し、このブタ像がどうして設置されたのかを取材した。
■「これはタヌキじゃないか…とびっくりした」
京急蒲田駅から徒歩5分ほど、昭和の雰囲気を漂わせる「キネマ通り商店街」の一角にそのお店はあった。「とんかつ 丸山」だ。試しに平日限定ランチの「ロースとんかつ定食」を頼むと、香ばしい衣の中に、油がつまったジューシーな肉が詰まっていた。
ランチの営業時間が終わってから、店主の丸山一郎さん(57)に話を聞いた。
――ブタ像がネット上で話題になっていることはご存じでしたか?
いえ、今、初めて知りました。そんなことになってたんですね。確かに、ご近所の方々はよく撮影していきます。
―― ブタ像はいつから設置したんですか?
近隣で居酒屋を経営していたときに、「林SPF」という豚肉を使ったトンカツを出していて、お客さんに非常に好調でした。それで2017年11月下旬、この肉を使ったとんかつ専門店「とんかつ丸山」をオープンしたんです。ブタ像はオープン当初から置いてます。
―― ブタ像を設置した理由は?
実は私が作ったわけではなく、人から譲ってもらったんです。もともとは、どこかのトンカツ店に飾ってあって、そこが閉店した際に、別の人にブタ像を譲ったらしいんです。その人は商売に使う予定だったけど、結局使わずに、大田区内の駐車場に置きっ放しになっていたのを、私の友人が見つけました。
持ち主は「引き取り手を探していたので持っていってくれるならどうぞ」というので、友人が私に仲介してくれたんです。ただ、実際に見てみたら、これはタヌキじゃないか…とちょっとびっくりしましたね。サイズも思っていたより大きくて重くて、車で運ぶのが大変でした。
―― なんでタヌキそっくりなんでしょう?
いろいろな意味で、信楽焼のタヌキそっくりですよね。ただ色もピンク色で自然だし、耳や鼻も豚らしくなってます。あとから改造したのではなく、タヌキ像の型をもとに職人さんが特注品で作ったのではないかと考えています。
―― ブタ像の反響はどうですか?
女子高生が写真を撮ったり、家族連れで来た際に小さいお子さんがブタと一緒に記念写真を撮っていたこともありましたね。お店の宣伝になるという意味では大活躍ですね。
※「ブタに改造されたタヌキ」の画像集はこちら。