世界の家庭料理を旅しよう!こんにちは、KitchHikeです。
KitchHikeは、食卓で人と人をつなぐWebサービス。旅行中に現地の料理を楽しむことはもちろん、日本に住んでいる外国人の家を訪ねて、本場の味を味わうこともできちゃいます。サイトには現在30人ほどの外国人COOKがメニューを公開中!そんな彼らの中から1人を選び、故郷の食文化や日本での生活にスポットライトをあてるインタビュー企画です。
第4弾の今回に登場するのは、人気のメニュー「カレカレ」を振る舞ってくれたフィリピン人のジェリコさん!
インタビュー、スタートです!笑顔がかわいいジェリコさん。
今日は宜しくお願いします!早速だけど、「カレカレ」はどんな料理?日本であまり聞き慣れない名前の料理だね。
-ジェリコさん (以下、敬略)
「カレカレ」は、そもそもお祝い事やセレモニー、フェスタの時に食べられていた伝統的な料理なんだ。最近は、ふだんから食べる料理になってきているけどね、白いご飯と一緒に食べるが一般的だよ。まずは牛のテイル肉を圧力鍋で煮込んで柔らかくするんだ。それをチンゲンサイとキャベツと茄子と一緒に炒める。凄くおいしいよ!
おいしそう!どんな味がするの?
-ジェリコ
味の決め手は何だと思う?実はね、ピーナッツのペーストで味付けをするんだよ。大量に入れて煮込むんだ。日本にはまったくあり得ない調理方法だろうね!本来はピーナッツを石臼で挽いて作る料理なんだよ。
とても手間がかかるから特別な時にしか作らなかった、というのも理由のひとつ。日本にはいいピーナッツのペーストがないから、代わりにピーナッツバターを入れているんだよ。
圧力釜で煮込まれた柔らかそうな牛肉をさらに炒めます。
「カレカレ」の素。こちらは本場フィリピンの人気ブランド「Mama Sita」のピーナッツソース。
今回使うピーナッツバターがこちら。大量に入れるとのことですが、一体どれほど?
ピーナッツバターで味付け!どんな味に仕上がるのか想像が付きません。
-ジェリコ
ピーナッツバターはたっぷり入れるけど、そこまで甘くないんじゃないかな?ピーナッツ味だけどしつこくなくて白いご飯にとても合うよ。甘すぎるように思うかもしれないけど、そんなにくどくならないから大丈夫(笑)!シュリンプペーストを風味付けにちょっとだけ付けて食べるのがいいんだよ。
なるほど、ちょっと安心しました!ちなみにフィリピン料理の材料はどこで手に入れるの?
-ジェリコ
赤羽と目黒にフィリピン食材屋さんがあるんだよ。東京には、いろんな国の食材屋さんがあるんだけど、フィリピン食材は少ないよね。フィリピンレストランも少ないと思う。ちなみに、目黒のフィリピン食材屋さんは高いので、だいたい赤羽に行くね(笑)。
ちなみに価格は、フィリピンの3倍くらい!2年に1回くらいは帰省するんだけど、その時にフィリピンから食材や調味料を大量に持ってくるんだ。
料理をしながら、フィリピンを語るジェリコさん。
こちらもフィリピンのブランド。カレカレだけでなく、他の料理にも使う必須スパイス。
ピーナッツバターをどろ〜り!え、そんなに入れるの!だいたい瓶の3分の1くらい。
野菜もたっぷり!意外にヘルシー?
カレカレは、どの地域の料理?
-ジェリコ
カレカレは、フィリピン全土で好まれる料理だよ。ちなみにフィリピンには7,107の島があるんだよ。
具材は、地方や家庭によってさまざまで、シーフードだったり、ビーフだったり、ポークだったり。いろんな具材を好きに入れるんだ。スプーンとフォークで食べるのが一般的だね。僕は牛のテイル肉を使ったカレカレが一番好きだよ。おすすめ!
7,107も島があるんだ!凄い!カレカレの他に、なにかおすすめのフィリピン料理はある?
-ジェリコ
そうだなぁ、バロットは知ってる?蒸したアヒルの卵なんだけど。中身が生まれる直前だったりして、凄く生々しいんだ。孵化の直前で羽が入ってることもあるけど、全部食べれるよ!まぁ、僕は好きじゃないけど(笑)。
孵化する直前の卵......あんまり食欲をそそらないね。
-ジェリコ
フィリピンでは、各地でいろんなフェスタが開催されるんだ。カトリック人口が多くて、それぞれの街に守護聖人がいて、その生誕祭がフェスタになっている経緯があるんだよ。
屋台がたくさんあって、新鮮で安いフルーツとかストリートフードがいっぱい。そこでバロットも売っているんだよ。
「カレカレ」に付け合わせるシュリンプトースト。レンジで温めて、添えるそう。
茄子もどっさり入れます。どんな味に仕上がるのか、ますますわからなくなってきました。
野菜を放り込んで蒸します。ピーナッツの匂いがキッチンに充満してきて......
確かにお祭りの名物だったら食べてしまうかも。フィリピンを旅行するならどこがいい?
-ジェリコ
そうだな、それこそフェスタに参加するのは楽しいと思う!フィリピンのお祭りは盛り上がるよ。新年には、家の前で花火をするんだ。花火で指が吹っ飛んじゃう人もいるんだよね(笑)。
もしくは、やっぱりビーチかな!セブやボホールがいいよ。マニアは都市だからね。チョコレートヒルズもいいよ。フィリピンは東南アジアだから、湿気が強いと思っているかもしれないけど、フィリピンはカラッとしてるんだ。とてもドライ。海に入っても凄くさっぱりしてる。フィリピンは、夏か真夏しかないんだよね(笑)。
マニラはね、最近どんどん欧米化してておもしろくなってきてる。シティの雰囲気が好きならおすすめだね。ちなみにセブとマニラはお互いのことをライバルと思っているんだ。東京と大阪みたいでしょ。
日本の夏と違って過ごしやすそう。ところで料理はいつ、どうやって学んだの?
-ジェリコ
基本的には独学だね!マニラの大学に通っていた時、一人暮らしをしていてからよく自炊をしてたんだ。あとは料理好きの父親の影響かな。ちなみに我が家は、3人兄弟。フィリピンは大家族が多くて、一般的には8.9人家族なんだよ。多いよね!
ついに完成!見た目からは、味の想像が付きません。いよいよ実食へ!
インタビュー前編はここまで!
カレカレがどんな料理なのか、わかっていただけましたでしょうか?ピーナッツバターで味付けされた料理を食べたのは編集部も初めてでしたが、想像以上にさっぱりしていて甘くなく、日本人好みの味だと思いました。白いご飯が進む!進む!
後編では、ジェリコさんのプライベートに迫ります。お楽しみに!
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(2015年6月22日「KitchHike マガジン」より転載)