二宮書店(東京都千代田区)が発行する地図帳に、2017年まで約8年間にわたって「実在しない島」が津軽半島沖に掲載されていたことが分かった。2018年発行の地図からは抹消された。
同社の担当者はハフポスト日本版の取材に「印刷ミスだった」とコメントしている。
■探検部の学生が指摘
問題の「実在しない島」は、津軽半島の西方100キロ沖合いの日本海上に記載されていた島のような地形だ。実在する渡島大島と、渡島小島の南西に位置する。2013年に発行された二宮書店の「基本地図帳 2013-2014」では、63ページにある「日本全図」に載っている。
同様の島はGoogleマップにも掲載されていたが、2013年10月2日に抹消された。国土地理院は「この位置に島は存在しない」と回答。ハフポスト日本版で、この経緯を翌日に報じていた。
この記事を読んだ早稲田大学探検部の男子学生が2016年12月、島が実際にあるか探検することを検討。同様の島を記載している二宮書店に問い合わせた結果、印刷ミスと判明した。2018年3月発行の「基本地図帳 改訂版 2018-2019」では、問題の島が消えた。
■「点が間違えて入ってしまった」
二宮書店の担当者は、ハフポスト日本版の取材に対して以下のようにコメントしている。
「2009年発行の『高等地図帳 改訂版 2009−2010』に掲載された日本全土から使っており、複数の地図帳で使っていた。基本地図帳は2018年版から修正した。この位置に島はなく、印刷の原版を作る際に点が間違えて入ってしまったものと考えられる。今後はこのようなことがないよう、校正する際に注意したい」
なお、iPhoneやiPadで使われるiOS純正の地図アプリ「マップ」には6月24日現在も、ほぼ同じ位置に「実在しない島」が掲載されている。二宮書店の地図を参考にしたのかは不明だ。