日本年金機構が保有する125万件の個人情報が流失したことを受けて、民主党は原因解明を最優先すべきとして、当面は国会での法案審議に応じない方針を示した。同党の高木義明・国会対策委員長が6月2日の会見で、「区切りがつくまでは通常の法案審議はできない」とと述べた。NHKニュースが報じた。
時事ドットコムによると、3日の衆院厚生労働委員会理事会で与党側は、派遣法改正案を審議するための委員会を5日に開くよう提案。しかし、野党側は拒否したとされる。
2日の記者会見で、民主党の細野豪志政策調査会長は、情報を流出させるきっかけとなったコンピュータウィルスへの感染などが判明したのが5月8日でありながら、厚労省に正確な情報が届いたのが28日であることに言及。「政権として29日に知っていたにもかかわらず国民に知らせておらず、その対応を含めて強い憤りを感じる。加えて、こうした経緯のなかで29日には厚労委員会では派遣法の審議をしている。これだけ重要な問題を抱えながら法案の処理を優先し発表しなかったとすると、政権全体に極めて重い責任がある」とコメントした。「国民に公開しなかったことは政権として隠ぺい体質が厳しく問われる」と批判し、労働者派遣法改正案の審議への影響については「当然ある」とした。
民主党はこの日、「漏れた年金情報調査対策本部」を設置。衆院厚労委員会の状況について西村智奈美議員は、「今日の理事会で与党の出方を見ていたが、粛々と明日の派遣法の質疑をやろうという提案があり、本当に驚き、怒りをもった。安保法制・労働法制とも大事な課題ではあるが、一方で、国民生活の基礎となる社会保障、その制度に対する信頼性の問題だ。この問題を解明することなくして派遣法の審議は出来ない」と述べ、引き続き与党側と交渉していくとした。
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