アメリカ・テキサス州キリーンで1月10日、黒人のパトリック・ウォーレン氏が警察官に射殺された。
52歳のウォーレン氏は心の病を抱えており、家族は助けを求めて警察に通報をしていた。
家族の弁護士リー・メリット氏は14日に開かれた記者会見で、ウォーレン氏を銃撃したレイナルド・コントレラス氏の逮捕と起訴を求めた。
「メンタルヘルスの問題で助けを求めた電話で、誰かが死亡するようなことがあってはなりません」「ウォーレン氏は暴力を振るっておらず、武器を持っていませんでした。彼は自宅で、芝生の上に立っていただけです」とメリット氏は訴えた。
「彼を撃たないで!」家族が叫ぶも…
殺害当時を撮影したと見られる動画には、ウォーレン氏の自宅を訪れたコントレラス氏がチャイムを鳴らして誰かと話した後に、カメラから離れていく様子がうつっている。
その後ウォーレン氏が家から出てきて、両手を回しながら警察官に近づいていった。ウォーレン氏は武器を持っておらず、その後の両者の様子はうつっていない。
ウォーレン氏の後に家から出てきた家族の1人が「彼を撃たないで、撃たないで!」と叫んだものの、数秒後に銃声が聞こえ、玄関前にいた人たちが「ノー!ノー!」と泣きながら叫ぶ声が聞こえる。1人は「銃を使わないでって言ったじゃないですか」と何度も叫んでいる。
キリーン警察によると、コントレラス氏は同警察に5年勤めている。
事件があった日はメンタルヘルスの緊急通報を受けて派遣され、心の病の症状で苦しんでいたウォーレン氏と遭遇した。
コントレラス氏はウォーレン氏にテーザー銃を使用した後(レポートには、テーザー銃は効果がなかったと書かれている)、銃撃した。
コントレラス氏は現在休職中でテキサスレンジャーズが事件を調べている、とキリーン警察は発表した。
ウォーレン氏の家族は、ベル郡地方検事による独立した捜査を求めている。
助けを求め、殺された
メリット弁護士は会見で、「家族はこの事件で大きなショックを受けて苦しんでいる」と説明した。
そして「ウォーレン氏は家族やコミュニティを愛していた」「彼に敬意を払うためには、立ち上がらなければいけない」と述べた。
メリット氏によると、ウォーレン氏は銃撃の前日にも躁うつ病の症状を発症し、家族は警察のメンタルヘルス担当部署に電話で助けを求めた。この時は特別なトレーニングを受けた警察官が対応して、ウォーレン氏は自ら警察官と一緒に病院に行った。
しかし翌日に再びウォーレン氏がメンタルヘルス問題を発症した際には、担当の警察官ではなくコントレラス氏が対応した。
コントレラス氏はメンタルヘルス問題のトレーニングを受けておらず、ウォーレン氏に対して敵対的だった、とメリット氏は説明する。
亡くなったウォーレン氏の家族をサポートするためのクラウドファンディングページでは、ウォーレン氏の息子のパトリック・ウォーレン・ジュニア氏が「こういった問題が再び起きて欲しくありません。誰も同じような悲劇を経験しなくてすむよう、助けを求めた人から父親が銃殺されるのを見なくてすむようにしたい」と訴えている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。