日本では育児休暇を取るのはママであることが多く、パパが育休を取ることはまだまだ一握りの珍しいこと。パパが育児休暇を取ると、それだけで「素晴らしい!」「素敵なイクメン」など褒めたたえられるのはちょっと納得いきませんが(笑)、今回は実際に育児休暇を取得した3人のパパたちの「育休体験記」を紹介します。
たった一週間だったけど、妻の大変さと普段の頑張りを痛感!
一人目は保険会社勤務のMさん(子ども3歳)。
残業や出張でほとんど家にいないため子どもと関わる時間が少なく、家事もほぼ妻任せ。ある日妻と口論になり、妻が「育児休暇でも取って1日面倒見てごらんよ!」と言うので、「じゃあ取るよ!」と。半ば勢いで取得することになりました。
妻には流れで「育休取るよ!」と言ってしまったものの、会社にはどのタイミングで、どう切り出そうか悩みました。ある日会議が終わった後に、直属の上司(2歳上で子どもの年齢も近い)に正直に話しました。すると「まだ男性社員の育休制度は整ってないし、すでにお子さんも保育園に通っているから難しいかもしれないけど、夏休みを前倒しで取れるようにしてみようか」と掛け合ってくれて、1週間の休暇を取得できるようにしてくれたんです。
娘はそのときすでに1歳半。認証保育園に通っていたので日中の子育ては必要ありませんでした。しかし家事を任されていたので、要領の悪い僕は時間がかかるかかる(笑) 子どもが帰ってきた後では何もできないと思い、夕飯作りもお迎えの前に済ませるように頑張ったら、1日ほとんど家事してた。それが大変だったかな。子どもをお迎えに行ったら、めちゃくちゃ嬉しそうに抱きついてきてくれたこと、家に帰ってひたすら一緒に遊べたこと、これが嬉しかったですね。
よかったです! それに、育児と家事を、仕事をしながらやってた妻を改めてすごいと思いました。自分のワークスタイルを変えるのはなかなか難しいですが、少しでも協力したいという気持ちが強くなりました。
辛いときもあったけど、息子の一番かわいい時期を独占できてハッピー
続いて、公務員であるYさんの体験です(子ども10歳、6歳)
妻が1年育休を取った後、長男(今10歳)の保育園が決まらなかったんです。子どもが保育園に入れるまでの半年間は育休が延長できるけど、妻と話し合って、私が交代という形で半年間育休を取ることになりました。私自身もこんな機会は滅多に、いや二度とないと思い、前向きに決めました。
保育や子育てに関係する部署にいたので、上司には話が切り出しやすかったです。男性の育休取得の前例はなかったですが、育休中の体験をレポートにまとめて提出する、という条件で半年の育休が認められました。
大変だったのは、やっぱり子どもの世話や相手。普段から家事は少し手伝っていたんですが、ここまで子どもとガッツリ一緒に過ごすのは初めて。当たり前ですが1歳だと言うことなんて聞かないし、何考えてるか分からないし、突拍子もないことするし...... 正直、仕事とぜんぜん違う種類のストレスを感じました。でも、最初の1歩や、初めて「パパ」「ママ」と言ってくれた瞬間を目の当たりにできて、それは本当に最高でした!
うーん、大変だったけど、よかったと思います。前よりずっと子どもの成長が楽しみになったし、子どもの生活に興味が出てきた。妻とも子どもについてよく話し合うようになったし、保育園や小学校の様子を他のパパよりも知っている自信があります(笑)
娘の保育園が決まるまでの1年半、パパの育休奮闘記
最後はフリーカメラマンのIさん(子ども2歳)
妻は育休1カ月で仕事に復帰。フリーランスの僕が約1年間育休を取ることになりました。娘はこのとき生後2カ月でした。
フリーのカメラマンなので、有休というよりは思い切って1年休むという感じでした。ある大学と契約していたのですが、ありがたいことに、「Iさんの育休が終わったらまたお願いするよ」と言ってくれたんです。
まだ生後2カ月だったので、首もしっかり座っていなくて、しばらく抱っこが怖かったですね(笑) 世のお母さんはすごいな、と。妻が母乳を凍らせていたので、それを解凍するときに失敗したり、せっかく解凍したのに飲んでくれなかったり。抱っこして買い物してると大泣きが始まって、周りのおばあちゃんたちにあやしてもらったり...... 細かい奮闘がいろいろあったという感じかな。嬉しいことは、やっぱり日々の成長です。「あれ? 今寝返り打った? もう1回頑張れ頑張れ!」みたいな。ほっぺがどんどんプックリしていくのもかわいくて、毎日ガブっとかじっていましたね(笑)
よかったですよ! 第2子が生まれたら、また取りたいと思っています。正直子どもは好きじゃないというか興味がなかったけど、こんなに面白くてかわいいんだと思えた育休でした。
以上、3人のパパたちによる育休体験記。パパなりに嬉しい発見や楽しい出来事をたくさん経験できた貴重な育休だったことがうかがえます。
そして、なにより大切なのが「ママの普段の生活を身をもって体験できた」ということ。夫婦二人で「育休」という同じ体験をする。同じ辛さ、嬉しいことを同じ立場になって共有すること。それは夫婦が互いに感謝の気持ちを持って過ごすために、とても大切なことなのではないでしょうか。
【ライター 田崎美穂子】
元大学出版会編集者、大学生向けのテキスト編集を担当。小学校5年、3年、1歳児の母。ママ友ネットワークを駆使した共感できる記事を執筆
------------------------------------
ワーママを、楽しく。LAXIC
------------------------------------
LAXICは、「ワーママを、楽しく」をキャッチフレーズに子育ても仕事も自分らしく楽しみたいワーママやワーパパ、彼らを取り巻く人々のための情報を集めたWEBメディアです
■合わせて読みたい記事
・ラシク・座談会 vol.1
ワーママのモヤモヤ語ります! 第1回は旦那さんとの関係や分担について
・「育休男子.jp」の社員が語る育休生活の醍醐味と自社運営の託児スペースへの担当者の思い 「ワークスアプリケーションズ」を包む子育てを応援する文化
・男性も積極的に育児に参加しないと損!企業経営パパから学ぶ 共働き夫婦の育児の秘訣