参院選の投開票日にあたる7月21日、アウトドア用品メーカーのパタゴニア日本支社(横浜市)は全国の直営23店舗を一斉に閉める。7月3日、同社が発表した。
従業員たちに投票に行ってもらうのが狙いという。
パタゴニアは製品に再生可能な素材を使うなど、環境保護にも力を入れている。
参院選に合わせて「Vote Our Planet 私たちの地球のために投票しよう」というキャンペーンも展開。政治に関心を持つことが環境保護にも通ずると考えており、休業によって従業員らが投票に行きやすくしようとの配慮があるとみられる。
日本支社の公式サイトなどには、次のように書かれている。
「パタゴニアの従業員全員が家族や友人などの身近な人と、日本の政治、選挙、そして私たちの地球の未来について話すきっかけと時間をもつこと、投票に行くことが大切だと考えた」
また、気候変動についてもこう危機感を訴えている。
「私たちの唯一の故郷である地球に住みつづけることができるかどうかは、この10年の私たち人間の行動にかかっていると科学者たちは警告します。しかし日本の政治の場では、気候危機への関心は低く、また脱石炭や脱原発、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー政策への転換など、緊急度の高い重要課題が正面から議論されることは稀です。さらには気候危機を語ると、イデオロギーの対立と誤解されることもあります」
「地球の現状は危機的です。けれども同時に解決策は明確です。化石燃料から脱却する脱炭素社会にいますぐ移行し、森林や農地といった二酸化炭素を吸収できる場所を増やしていくことです。本当の意味で手遅れにならないために、そして若者や地球の将来のために、私たち市民全員が、社会構造を大胆かつ公正に変化させようとする政治家を選ぶ必要があります」
一方、このキャンペーンでは、Twitterなどで「#私たちの地球のために投票しよう」のハッシュタグを使うよう呼びかけている。
同社は以前から選挙の際に、投票を呼びかけるなどの活動を行ってきた。
また、パタゴニアは選挙や政治、社会について参加者が気軽に語り合うイベント「ローカル選挙カフェ」を開く。
7月6日からの19日間、全国各地の店舗で計16回予定している。