受動喫煙防止法案、塩崎厚労相「アルバイトの人が煙にさらされている」と訴える

塩崎恭久厚労相は「飲食店で配膳をしている方、アルバイトの方、大学生、高校生が煙にさらされている」などと述べ、望まない受動喫煙があることを示した。
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Close up of white no smoking sign displayed on a table in a public establishment (restaurant for example) with some cutlery visible. There is a white blank space to write 'No smoking' in the selected language.
Gregory_DUBUS via Getty Images

厚生労働省が今国会に提出する方針の、飲食店は原則禁煙にすることなどを盛り込んだ「健康推進法改正案」について、塩崎恭久厚労相は3月7日、「飲食店で配膳をしている方、アルバイトの方、大学生、高校生が煙にさらされている」などと述べ、望まない受動喫煙があることを理由のひとつに挙げた。参院予算委員会で答弁した。

塩崎氏は「タバコを吸わない国民が8割を越えている。受動喫煙を受けなければ、がんなどで死亡せずに済んだ人は、1万5000人いるだろうと推計されている」とコメント。受動喫煙防止対策を強化する必要性を挙げた。

さらに、「公共の福祉に反しない限り、喫煙の自由はある」としながらも、「非喫煙者のかた、妊婦、子供さん、癌の患者の皆さん、受動喫煙禁止の法律に慣れている外国人のかたへの配慮が、喫煙の自由よりも後回しにされている」と述べ、法律の必要性を訴えた。

受動喫煙対策法、どんな内容?

厚労省は1日、飲食店などの建物の中を原則として禁煙にする法案について、違反した喫煙者には30万円以下の過料を科すとする法案のたたき台を公表した。 たたき台案では、居酒屋やラーメン店なども規制の対象となるが、飲食店側が喫煙専用室の設置するのを認めることや、小規模のバーやスナックは規制の例外とすることなどが盛り込まれている。小規模と定義される延べ床面積は、「30平方メートル以下」と、政令で基準を設ける。

受動喫煙対策については、自民党内の反対議員からは「喫茶店や小売店など小さな店舗の営業に影響が出てくる」などの意見も出ていた。これに対して厚労省は、世界保健機関(WHO)の外部組織、国際がん研究機関(IARC)がハンドブックの記述を示した。ハンドブックには「レストラン、バーを法律で全面禁煙にしても減収なし」と書かれている。

なお、民間調査機関の「富士経済」が3日発表した、法案が外食産業に与える影響についての調査結果によると、飲食店などの屋内の全面禁煙や罰則が実際に施行された場合、外食市場での売り上げに8401億円の影響が出ているとしている。このうち、喫煙者の顧客割合が多い「居酒屋、バー・スナック」への影響は6554億円と最も大きいとされるが、このうち居酒屋などは店舗面積で見ると50平方メートルの店舗が71.0%を占め、小規模な店舗の割合が高いという。