韓国の朴槿恵大統領に辞める気はサラサラない 「熱烈支持層」に再結集の動きも

「崔順実ゲート」の中核の被疑者であり、国政の空白を招いた責任者の朴大統領は、何を考えているのだろうか?
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In this Friday, Nov. 4, 2016 photo, people watch TV screens showing the live broadcast of South Korean President Park Geun-hye's addressing to the nation at the Yongsan Electronic store in Seoul, South Korea. Park took sole blame Friday for a
ASSOCIATED PRESS

「もう一度私の過ちを率直に認めて、国民の皆様に許しを乞います」

「必要に応じて私も検察の取り調べに誠実に臨む覚悟」

朴槿恵大統領は11月4日、2回目の国民向け談話でこのように謝罪した。

しかし本心では、自分からは辞任しないと決心したようだ。突然、別の疑惑を徹底的に捜査せよと指示したかと思えば、「なぜ疑惑だけで大統領に辞任しろと言えるのか」といった言葉も漏れ伝わってくる

メディアは、朴大統領と「親朴」勢力が反撃モードに転じたと解釈した。国会による弾劾という「破局」を懸念する声もある。

崔順実ゲート」の中核の被疑者であり、国政の空白を招いた責任者の朴大統領は、何を考えているのだろうか?

朝鮮日報によると、朴大統領はむしろ「力」を得たのではないかという分析が出ている。青瓦台(大統領府)とセヌリ党の内外にあるという言葉を見てみよう。

青瓦台の関係者は「最後の週末デモに100万人が集まったなんてウソだ」「過去の政権の側近による不正と比較して、大統領が辞任するほど悪性ではない」「辞任したら、左派に政権が移る」といった支持者からの要求が増えていると明らかにした。こうした熱心な支持層が再結集する雰囲気が朴大統領に「力」になっているというものだ。さらに、ある関係者は、「朴大統領本人も事件の初期は余裕がなかったが、時間が経つにつれて安定を取り戻している」として「国政の責任者として、憲法に従うと心に決めている」と述べた。(朝鮮日報、11月17日)

それだけではない。朴大統領は、「支持者の再結集」に期待していると思われる。

ある朴槿恵氏に近い関係者は「今のろうそく集会は激しく見えるが、、アメリカ大統領選挙のように、いわゆる『シャイ・トランプ(Shy Trump:公にトランプを支持していないが、トランプに投票した人)』も多いと見ている」と述べた。言うならば、潜在的な「シャイ朴槿恵」層があるという意味だ。「100万人のろうそく集会と言うが、自主的に来た人は、はるかに少ないだろう」「世論調査でも支持層が回答しないから、実態よりはるかに低い数値が出ているのだろう」とまで言う。(朝鮮日報、11月17日)

朴大統領のこのような判断に根拠が全くないとは言えない。

2回目の国民向け談話の後に実施された調査機関、リアルメーターの世論調査によると、朴大統領の支持率は下落したが、「反転」した層もあった。60代以上のセヌリ党支持層だった。

また、朴槿恵氏の支持団体「朴槿恵を愛する人々の集まり(バクサモ)」の新規会員が急増したというニュースもあった。「大統領に間違いがあろうと、私たちの大統領は、私たちが守らなければならない」というネットの書き込みも出ている。

17日付の朝鮮日報と東亜日報に掲載された、以下の広告も、朴大統領が期待する「支持層の再結集」に該当するものとみられる。

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「法治主義を守ろう、自由民主主義を守ろう!」

朝鮮日報の全面広告は、ヤン・ドンミン韓国学中央研究院名誉教授が「1)暴民政治から自由民主主義を保護する 2)朴大統領にも国民としての基本権は保障されるべきだ 3)朴大統領の強制退任後の政治的混乱を利用し、反体制勢力とその背後の勢力が政権を強奪することを阻止する」として、朴槿恵大統領の辞任に反対する集会への参加を呼びかけている。

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東亜日報の広告は「憲政の破壊を先導する『国会』糾弾および『大統領強制退任』反対国民大会」の開催を呼びかけ「腐って無能な国会と政府、国民が改革する時間! 狂気と野蛮が支配する群衆政治を市民の手で終わらせよう」と訴える。日時と場所は朝鮮日報の広告で告知された集会と同じ。

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東亜日報に掲載された広告は、警察OBや海兵隊OBの団体などの連名で「国家の危機を収拾できない国会、果たして必要ですか? 『韓日軍事情報保護協定』に仮署名したと国防長官の解任を求める国会議員たち、正気ですか?」と訴える。

聯合ニュースが伝えた匿名の「ある参謀」によると、朴大統領は以下のような理由で、辞任するつもりがないのだという。

ある参謀は「憲法の手続き上、明示されていない本人の権限剝奪、任期短縮、辞任は受け入れられないという状況で、朴大統領は国民全体から非難されても、大統領としてやるべきことはやらなければという考えが強い」と話す。

別の参謀は「民心に背を向けたとの批判を覚悟した、朴大統領特有の単純な責任感」と説明する。(聯合ニュース、11月17日)

ハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳・加筆しました。

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