韓国・朴槿恵大統領、反政権デモを「イスラム国」にたとえて非難

「テロ団体が不法デモに潜入して国民の生命を脅かすこともありうる」「『イスラム国』(IS)もそうしているではないか」
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South Korean President Park Geun-hye attends the 17th ASEAN- Republic of Korea meeting during the 27th Association of Southeast Asian Nations ( ASEAN ) Summit at the Kuala Lumpur on November 22, 2015. Southeast Asian leaders November 22 symbolically declared the establishment by year-end of an EU-style regional economic bloc, but diplomats admitted it will be years before the vision of a single market can be realised. AFP PHOTO / MANAN VATSYAYANA (Photo credit should read MANAN VATSYAYANA/AFP/Getty Images)
MANAN VATSYAYANA via Getty Images

韓国の朴槿恵大統領は11月24日の国務会議(閣議)で、11月14日にソウル・光化門前など都心部で開かれた反政権デモ「民衆総決起」を「不法暴力デモ」と強く批判した。

「テロ団体が不法デモに潜入して国民の生命を脅かすこともありうる」「『イスラム国』(IS)もそうしているではないか」

朴大統領は、デモの参加者をISにたとえ、覆面デモの禁止など「強力な対策」を促した。

11月14日のデモには、主催者発表で約13万人が参加。朴大統領が推進する、歴史教科書の国定化に反対する大きなうねりとなったが、朴大統領が2013年の大統領選で選挙公約に掲げた「米価の高値維持」を守っていないことに抗議した60代の男性が、デモを鎮圧する警察の高圧放水の直撃を受けて意識不明の重体となっている。

聯合ニュースによると、朴大統領は以下のように発言した。

「今回の暴力事態は、常習的な不法暴力デモ団体が事前に組織的に綿密に計画し、主導した状況があちこちで明らかになっている」

「特に、南と北が対立する状況で、こうしたことが起こることは看過できず、全世界がテロで多くの死傷者が出ているときに、テロ団体が不法デモに潜入して国民の生命を脅かすこともありうる」

「特に覆面デモはできないようにしなければならない」

「『イスラム国』(IS)も今、そうしているではないですか。顔を隠して…」

ウォール・ストリート・ジャーナルの韓国支局長を務めるアラステア・ゲイル氏は、Twitterで以下のように驚きをあらわにした。

「韓国の大統領が自国のデモ参加者を『マスクをしたIS』にたとえた。本当に」

ハフポスト韓国版ブロガーのイ・テギョン氏は、2005年のFTA反対デモで農民2人が死亡した際、盧武鉉大統領が国民向けに謝罪したと指摘し、朴大統領の強権的な姿勢を強く批判した

ソウル都心を埋め尽くした13万人のデモ隊が、集会・デモをした理由について何の関心もない朴大統領は、デモ隊を事実上の非国民または敵と規定したまま、法と公権力を伝家の宝刀のように振りかざしている。朴大統領の頭の中には、集会とデモの権利は憲法が保障した基本権であり、この基本権を政府は保障しなければならず、集会およびデモの現場で行われた違法行為にのみ、憲法と法の規定によって処罰できるという概念自体がないようだ。