多くの犠牲者が出た同時多発テロから1カ月を経たパリで、ちょっと心が温まる動画が届いた。
公共放送フランス・テレヴィジオンの番組の一部が12月9日、Facebookに動画投稿され、5日間で約500万回も再生されている。
早朝に撮影された、地下鉄駅ホームの監視カメラの映像だ。泥酔した男性が、地下鉄のベンチに腰掛けて熟睡している。そこに黒ずくめの男が忍び寄ってきた。隣に座って彼のポケットに手を突っ込んで財布を抜き取った。そう、この男はスリだったのだ。
やがて、ようやく目が覚めた男性。酔いが醒めないのか、線路の方にフラフラと歩いて行く。あっ!と思うまもなく、男性は線路に転落してしまった。紫色のジャンパーの男性がその様子を見ていたのが、気にせず立ち去ってしまう。
まもなくホームに電車が入ってくる。緊急ブレーキで男性は間一髪で助かった。ホームの反対側から駆け寄って、男性をホームに引っ張り上げたのは、さっき財布を盗んだばかりの男だった。
フランスの英語メディア「ザ・ローカル」によると、パリ警視庁のエマニュエル・オステル捜査官は「男は、自分にとって犯行がばれて不利になると分かっていても、人が感電死することを見逃すことができなかったのでしょう。どんな泥棒にも良心はあるし、どんな傍観者だって(見て見ぬふりをすれば)悪者になる可能性があります」と話している。
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