何をもって子どもの最善の利益とするか、当事者同士の意見が食い違う現実...

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員です。8月はとにかくインプット期間なので、色んな人に会って色んな資料を読んでます。

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員です。

8月はとにかくインプット期間なので、色んな人に会って色んな資料を読んでます。

本日はお盆のまっただ中にも関わらず、

「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク(親子ネット)」

の方が、都議会議事堂まで訪ねてきて下さいました。

折しも先日、日本では養育費の支払い率が極度に低いことをレポートしたばかりです。

子どもの貧困の中で…「養育費」という子どもの権利を守る方法はないのか?

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養育費の支払いが2割に満たない現状に比例するかのように、

離婚した親子の面会交流の実施も3割程度に留まっています。

それが双方合意であればまだしも、

一方的な意思で面会交流を阻害されているケースも多いそうです。

「両親が離婚すると、こどもはある日突然、片方の親と会えなくなる。

 子どもは両親から愛情と栄養を受ける権利があるはずなのに、おかしいと思いませんか?」

「『本当は離婚なんてしてほしくない。自分にとってはいいお父さんなんだ』

 この子の声を代弁する人がいないじゃないか。」

この親子面会・共同養育の問題に先進的に取り組む、

弁護士であり現明石市長の泉房穂氏の言葉だそうです。

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突然片方の親と切り離された子どもは、「片親阻害(Parental Alienation)」

と言われる状態に陥り、悪影響があることが指摘されています。

ある専門家の研究結果によれば、

「子どもの健全な成長のためには、別居後も月4~6日程度の面会交流が欠かせない」

ともされているところです。

しかしながら、我が国における面会交流の実施率は前述の通りであり、

実施している親子も月1回、年間12回というのがスタンダードになっているようです。

こうした背景から親子ネットの皆さまは

子どもの連れ去りの禁止

面会交流権の保護・拡充

養育計画の作成義務化(≒養育費の支払いおよび面会交流の義務化)

などを訴え、精力的な活動を続けています。

しかしこの問題、本当に複雑な側面を抱えています…

先日の養育費についての記事も、BLOGOSのコメント欄で炎上に近い状態になりましたが、

「何をもって子どもの最善の利益とするか、当事者同士の意見が食い違う」

最たる分野の一つと言えるからです。

シングルマザーや母子家庭支援をしている方の中には、

「DVや子どもの虐待から、やっとの思いで逃げて子どもを引き離した。

 そんな男に子どもを会わせるなんてとんでもない!」

「行政や裁判所は、ノロノロしててまったく使えなかった」

ということをおっしゃる方もいらっしゃいますし、

逆側から見れば

「納得していないのに、子どもを連れ去られた」

「そんな不公平な判断を下す、日本の司法は一体なんなんだ!」

となるケースがあることは、想像に難くありません。

そして明確な証拠がある場合を除き、個々のケースで裁判所が最適解を出せるほど

日本の司法は残念ながら成熟してはおりません。

また政治的には、

「夫婦は揃っているのが、子どものためには一番」

ということも、なかなかおおっぴらには言えなくなりつつあります…。

本当、色んな意味で。

この分野についてはもう少し、海外事例や専門家・当事者の意見も含めて

「チルドレンファースト」を第一に置きながら、もう少し論考を深めていきたいと思います。

結論めいたものがなくて申し訳ありませんが、

本日のところはまず備忘録まで。

それでは、また明日。

(2015年8月13日「おときた駿公式ブログ」より転載)