【夜の帳・パプアニューギニア・ 古見きゅう 連載第4弾!】

仕事柄日中のほとんどの時間を海の中で過ごしているわけだが、パプアニューギニアに行くたび楽しみにしている時間がある。それがこの日没前の時間だ。これまで様々な国や場所でサンセットの時間を過ごしてきているのだが、どうやら僕にとってはパプアの夕暮れ時が一番肌に合っているような気がしてきた。陽が傾きかけてきた夕方17時ごろになると気分が落ち着かなくなってくる。ソワソワというよりもドキドキしてくる感覚だ。
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仕事柄日中のほとんどの時間を海の中で過ごしているわけだが、パプアニューギニアに行くたび楽しみにしている時間がある。それがこの日没前の時間だ。これまで様々な国や場所でサンセットの時間を過ごしてきているのだが、どうやら僕にとってはパプアの夕暮れ時が一番肌に合っているような気がしてきた。

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陽が傾きかけてきた夕方17時ごろになると気分が落ち着かなくなってくる。ソワソワというよりもドキドキしてくる感覚だ。今日の空の焼け具合はどうなるだろうか?これまでの経験から陽が暮れる前から、なんとなくその数分後の空の具合をイメージできるようにはなってきたが、やはりそこは自然の現象、実際目の前に広がる光景とイメージが完璧に一致することはほとんどない。

でも。そこが楽しいところでもあるわけだ。山々にかかる低い雲。それを突き破るように光芒が海へ垂れる。何か特別なものが降りてくるかのような神々しく圧倒的に美しい光景だが、これがパプアでは特別なものではなく、日常的なものであるような気がする。パプアで過ごす夕暮れ時いつも贅沢なのです。

なぜあそこまで青々としていた空がこんなに色になるのだろう?いつも不思議でしかたない。青から黄、黄から橙、橙から赤、赤から紫、紫から青、そして闇へ。巡る時間の中に在る色は、僕に様々な想像を与えてくれる。表現のこと、色のこと、自然のこと、時間のこと、それら全てが僕の写真に生きてくると信じている。パプアの夜の帳は今日も美しいことだろう。

◯ Text by 水中写真家 古見きゅう

東京都出身。本州最南端の町、和歌山県串本にて、ダイビングガイドとして活動したのち写真家として独立。 現在は東京を拠点に国内外の海を飛び回り、独特な視点から海の美しさやユニークな生き物などを切り撮り、 新聞、週刊誌、科学誌など様々な媒体で作品や連載記事などを発表している。著書に海の生き物たちのコミュニケーションをテーマとした写真集「WA!」(小学館)などがある。 2012年には自身初となる海外での個展も開催した。

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*パプアニューギニア*

パプアニューギニアは、赤道のすぐ南に位置しており、日本から直行便で約6時間30分の距離にあります。世界で2番目に大きな島、ニューギニア島の東半分をはじめとする600の島々からなり、南太平洋最後の楽園と言われ、そこには美しい海と、山々の深い緑、長い歴史の中で受け継がれた伝統の文化が息づいています。自然と触れ合う旅、文化を探訪する旅など、パプアニューギニアでは、様々な旅の楽しみ方が皆様をお待ちしています。

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