"世界中で最も言語の豊富な国"と言われるパプアニューギニア。英語とピジン語を公用語としながらも、部族の数だけ言語が存在し、その数はなんと800以上とされています。手つかずの熱帯の自然の中には、誇り高いプライドを持つ部族たちが自給自足で暮らしています。この国には私たちが失いかけた美しい伝統が、今なお色濃く生きているのです。今回は、まだまだ知られざる国パプアニューギニアの魅力と秘密、最新の情報、実際に体験した人の声など、ここだけでしか明かされないトピックをお届けしていきます。
この国を理解する上では欠かせないWANTOK(ワントク)についてご紹介します。「ワントク」とは、英語のone(ワン)talk(トーク)に由来するピジン語で、同じ言葉を話す集団を意味します。多様な言語を話す民族がひしめくこの国パプアニューギニアでは、同じ言葉を話し、同じ部族出身であることによる帰属意識、平等意識が非常に強く、同じ部族=家族という図式が成り立ちます。ワントクの中では安全が確保され、互いに手厚い援助を行う義務があります。古風な村の社会だけでなく、近代化された首都ポートモレスビーでも、"ワントクの助け合い精神"は至る所で見られます。ある日突然失業して家を無くしても、食費や生活費、ましてや住居まで、同じワントクが面倒を見てくれます。血縁関係はなくても同じワントクであれば、学費だって出してくれるし、ワントクの縁故で学校にも入学出来たり・・・。ワントクはパプアニューギニア社会の縮図とも言えるのです。
格差もない、飢えや貧困の心配もない、一見するとすばらしい社会システムに思えるかもしれません。しかし、行き過ぎるのもやや問題あり。ワントクからの依頼には「ノー」と言えない暗黙の了解があるし、プライドが高いがゆえに自分のワントクが傷つけられたら、大変なことに・・・。「同等の報復を加えるべき」という掟により、異なるワントク間の闘争に発展することも少なくないのです。
もともと大家族や村社会の伝統を持つ日本人は、この相互扶助の習慣を少しは理解出来るかもしれません。でも"助け合いの精神"もここまで来ると、おせっかいを超えてありがた迷惑?良くも悪くも、この国には「ワントク」が根強く生きているのです。
*パプアニューギニア*
パプアニューギニアは、赤道のすぐ南に位置しており、日本から直行便で約6時間30分の距離にあります。世界で2番目に大きな島、ニューギニア島の東半分をはじめとする600の島々からなり、南太平洋最後の楽園と言われ、そこには美しい海と、山々の深い緑、長い歴史の中で受け継がれた伝統の文化が息づいています。自然と触れ合う旅、文化を探訪する旅など、パプアニューギニアでは、様々な旅の楽しみ方が皆様をお待ちしています。
パプアニューギニア政府観光局
パプアニューギニア・ファンサイト
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