紙レシートって必要? カリフォルニア州が紙レシートの禁止化に前進

電子レシートへ切り替え、エネルギーと資源削減へ
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レシートのイメージ写真
industryview via Getty Images

あまりにも長いレシートは、アメリカではしばらく話題になってきた。ハロウィンのコスチュームになったり、SNSで注目されたり、調査記事まで発表されたほどだ。

しかしついに、浪費とエネルギー削減の名のもとに、カリフォルニア州議員らが行動を起こした。

下院議員のフィル・ティン氏が提案したこの法案は、3月25日に第1関門を突破した。議会の天然資源委員会が、6対3で次回の委員会の公聴会に持ち込むことに成功したのだ。

もし次も通過し、カリフォルニアのギャビン・ニューサム知事が署名すれば、企業は2022年までに電子レシート・システムに切り替え、紙レシートは要望があった時のみ提供することになる。

「私たちの多くは、毎回紙レシートを必要としません。殆どの場合で不要なものに、沢山の木々を浪費し、車100万台の排気量に筆頭する120億ポンドもの炭素を排出するのはおかしいです」とティン議員は今年初めに提案を発表した際に声明で語った。

彼の事務所は「多くのレシートは企業がクーポンやプロモーション、アンケートを付けることによって過剰に長くなっている。特にドラッグストアチェーンのCVSは特筆すべきだろう」と加えた。

大手ドラッグストアチェーン「CVS」のレシートの長さは有名で、SNSでも多くの人がそのレシートを冷やかし、写真を投稿している。 

ティン議員が提案する違反への罰金はそこまで厳しくない。違反した企業は2回の警告の後、1日25ドル、最高で年300ドルの罰金を科される。年間総収益が100万ドル以下で、現金取り扱いのみ小企業は免除される。

レシートに利用される紙に含まれる添加剤のため、リサイクルできないことが多いレシートへの措置の提案は、国内外広がる、小ささのあまり再利用が困難なプラスチック・ストローを禁止する動きにならっている。

法案はたくさんの環境保護団体の支持を得ているが、経済界のリーダーからのけん引は未だに得られずにいる。彼らは、多くの企業にとって、電子レシートのシステムに切り替えるのは金銭的に負担が大きすぎると言う。

3月25日の法案通過により、ティン議員の法案はプライバシーと消費者保護委員会での投票に持ち込まれる。

ちなみに日本では、購買履歴データの管理を目的として、2018年に買い物レシートの電子化を通じたデータ利活用に関する実験が経産省によって実施された。結果として有用性が認められ、標準フォーマットを確立、公開しており、企業への導入を推進している、と経産省の担当者は話した。

 ハフポストUS版の記事を翻訳、編集、加筆しました。