外務省作成の「ハーグ条約」小冊子は人種差別 人権活動家が指摘

国際的な子の奪取に関する「ハーグ条約」について、外務省が作成した小冊子に人権侵害にあたる内容が含まれているのではないか、という指摘が出ている。
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外務省

国外に連れ出された子供の扱いを定めた「ハーグ条約」について、外務省が作成した小冊子に人権侵害にあたる内容が含まれているのではないか、という指摘が出ている。

指摘しているのは、人権活動家の有道出人(あるどう・でびと)さん。アメリカ出身の日本国籍取得者だ。有道さんは「ハーグ条約ってなんだろう?」という外務省が作成した小冊子について、子供や無実の日本女性に暴力をふるう外国人のイラストは、嫌悪感を抱かせる内容となっていると分析。日本人のかつての配偶者によって子供を連れ去られ、子供に会うことができないでいる外国人もいるとして、小冊子のあり方に疑問を呈しているという。香港の英字紙・サウス・チャイナ・モーニング・ポストが報じた。

有道さんは特に、小冊子の表紙のイラストに怒りを覚えるという。そこには、小さな女の子を叩いている外国人のイラストや、ブロンドヘアの外国人男性がすすり泣く日本人女性の母親から子供を連れ去るイラストなどが描かれている。有道さんは「このような内容は、日本だけが公正な話し合いができる場所で、世界は違うというようなイメージを植え付ける」と話す。(中略)

 

「これらの固定観念のイラストばかりでなく、なぜ、元妻に連れ去られた子供と会うための外国人の権利について書かないのか」と有道さんは指摘した。

 

(サウスチャイナ·モーニング·ポスト「'Racist' cartoon issued by Japanese ministry angers rights activists」より 2014/09/16 23:14)

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ハーグ条約は夫婦のどちらかによって国外に連れ出された子供の扱いを定める多国間条約で、日本は2014年4月から条約加盟国となり、合わせて小冊子もつくられた。

日本はハーグ条約への加盟が遅く、海外から批判を浴びていた。特にアメリカからの圧力は強く、2010年にはアメリカ下院本会議が日本への連れ去りを「拉致」と非難する決議を採択した。ハーグ条約の適用を受けた2014年4月には、元配偶者らが日本に連れ帰った子供との面会を求める親が、アメリカでは少なくとも約200人に上ったという。

有道さんは自身のブログで、この小冊子の中に、外国人が子供にDVを行っているイラストが複数あることや、外国人が日本人に冷たいことを明示するイラストも使用されていると述べている。

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これらの有道さんの指摘について外務省領事局の担当者は、現在のところ外務省は同様の指摘を受けてはないとハフポスト日本版の電話取材に回答。また、「小冊子を見ていただければ分かると思うが、人種差別的な内容を意図して作成したものではない」として、画像の変更等を行う予定はないと述べた。

なお、この小冊子は日本語版だけでなく英語版もつくられているが、日本語版と同様のイラストや文章が使われている。

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