爆笑問題・太田光「きっかけさえあれば…」 "もう、死んでもいい"から立ち直った経験を告白【川崎殺傷事件】

太田は「俺は、すぐ近くにいると思うのね。彼のような人が」と強調。「きっかけさえあれば」などとメッセージを伝えていた。
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太田光(2015年10月04日撮影)
時事通信社

爆笑問題の太田光さんが6月2日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)で、自身が高校生の頃に「死んでもいい」などど思っていたことがあったと告白、立ち直ったきっかけを紹介した。ピカソの絵を見たことで、考え方が変わったのだという。

この日、番組の出演者らは、川崎殺傷事件をめぐりネット上で議論になっている「死にたいならひとりで死ぬべき」という論争について取り上げた。事件が起きた5月28日には、落語家の立川志らくさんが、情報番組「ひるおび!」(TBS系)で「死にたいなら1人で死んでくれよ」などと発言。ネット上には賛否が次々と投稿されていた。

サンジャポの出演者からは、「孤独を感じていたのはわかるけど、誰かを巻き込むのはいけない」という意見が出たほか、「ひとりで死ぬか、みんなを巻き込むなという問題を対立させるのがおかしい。どうやったら孤独から救うかということと対峙しなければいけないのに」などのコメントもあった。

意見を求められた太田さんは、「一人で死ねっていうことは、要するに、“甘えるな”ってことだと思うんだけど…」と、目線を出演者からはずして語り始めた。

「この犯人の場合は、自分も死ぬわけじゃないですか。自分の命も、たいして重く見ていないというか、自分が思っているような自分じゃなかったんだと思うんだよね。俺って生きててもしょうがないなと。

だけど、最後に一つ大きなことをする。でも、特定の病気だからっていうわけではなくて、そういう思いにかられることは、誰しもがあって。

俺なんか(容疑者と)同じ50代ですけれど、高校生くらいの時に、何も感動できなくなった時があったんですよ。物を食べても、味もしない。

そういう時に『これはこのまま死んでもいいな』っていうぐらいまで行くんだけど、そうなっちゃうと、自分もそうなら人の命も大切には思えないよね。

だけど、その時に俺のきっかけだったけど、たまたま美術館行ってピカソの絵を見た時に、急に感動が戻ってきたの。

何を見ても感動できなかったんだけど、ピカソが理解できたってわけじゃないんだけど、その時の俺には『こんな自由でいいんだ表現って』っていうことで、そこからいろんなことに感動して、いろんなものを好きになる。

好きになるってことは、それに気づけた自分を好きになるってことで、それっていうのは、人でも文学でも映画でも何でもいいんだけど、そういうことに心を動かされた自分て、捨てたもんじゃないなって思うと、他の生きている生物や人間たちの命も、やっぱり捨てたもんじゃないって思える」

この発言に、出演者のテリー伊藤さんは、「太田さんは一人で見つけることができた。彼みたいな人は、できなかったわけじゃん」と指摘。

これに対して、太田さんは、目線を上げて前をむき、「俺は、すぐ近くにいると思うのね。彼のような人が」と強調。更に、カメラを見据えて「今、自分て死んでもいいって思っている人は、もうちょっと先に、それを見つける。きっかけさえあればって思うんだよね。すごい発見ができる」などと、メッセージを伝えていた。

ちなみに、太田さんが高校生の時に見た絵というのは、ピカソの「泣く女」だったという。

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ピカソ「泣く女」