オスプレイが日本国内で初の訓練 日米共同訓練が滋賀で始まる

10月8日、陸上自衛隊と米海兵隊による日米共同訓練が、滋賀県高島市の陸自饗庭野(あいばの)演習場で始まった。この訓練で、アメリカの新型輸送機「オスプレイ」が日本国内で初めて使われる予定だ。
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時事通信社

10月8日、陸上自衛隊と米海兵隊による日米共同訓練が、滋賀県高島市の陸自饗庭野(あいばの)演習場で始まった。この訓練で、アメリカの新型輸送機「オスプレイ」が日本国内で初めて使われる予定だ。朝日新聞デジタルが報じた。

共同訓練には、陸自第3師団の約150人と米海兵隊員約80人が参加。当初は、7日に訓練を実施する予定だったが、米海兵隊の到着が天候の影響で遅延していため、1日遅れてのスタートとなった

開始式で第37普通科連隊長の吉田壮介・1等陸佐が「高い機動力と輸送力があるオスプレイの重要性を認識し、陸自と海兵隊の連携を確立していきたい」と述べた。午後は実弾射撃訓練があった。

(朝日新聞デジタル「日米共同訓練、滋賀で始まる オスプレイは16日に参加」2013/10/08 14:06 より)

オスプレイは米軍普天間飛行場に配備中の1〜2機が16日に訓練に参加する。当日の飛行ルートが明らかになっていないことなどから、一部の住民からは反対の声が挙っている

オスプレイが国内で初めて訓練中に使われることを受け、滋賀県の嘉田由紀子知事は2日までに、防衛省に要請文を提出した。

知事はオスプレイの飛行に関し、市街地や琵琶湖の上空を避けるよう米軍に申し入れることや、ルートが判明次第速やかに情報を提供することを求めている。

(時事ドットコム「嘉田滋賀知事「琵琶湖避けて」=オスプレイ訓練で要請」2013/10/02 12:58 より。)

また、滋賀県高島市の福井正明市長も9月30日、近畿中部防衛局など関係先4カ所を訪れ、要望書を提出した。

訓練に対し、福井市長は「反対しない」との意向を先月27日の市議会で表明。その一方で、「不安が完全には払拭(ふっしょく)されていない」として、演習場へのオスプレイの飛行ルートが判明次第公表すること、不測の事態が発生した場合は政府の責任で対応し、必要な情報を速やかに連絡することなどを盛り込んだ要請書をまとめ、関係部署に提出した。

1日には防衛省などを訪れ、同様の要請を行う。

(MSN産経ニュース「高島市長、オスプレイ訓練参加 万全の安全対策要請 滋賀」2013/10/1 02:08 より。)

福井市長は、9月27日の市議会本会議で、饗庭野演習場の歴史や、同月に発生した台風18号で被害を受けた際の自衛隊の救助活動などを挙げ、「市民はこうした歴史を受け入れ、ともに歩んできた」と述べ、「地元市長として反対するものではない」とした。

一方、岸田文雄外相、小野寺五典防衛相は、10月8日、沖縄県を訪れ仲井真弘多知事と会談する。

日米外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書で明記された沖縄の基地負担軽減策を説明し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設への理解を求めたい考えだ。

会談では沖縄本島東のホテル・ホテル訓練区域の一部の使用制限解除に向けた取り決めと、返還予定地の立ち入り調査のための枠組みを11月末までに策定することや垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの県外・国外への訓練移転などについて説明し、意見を交換する。

(琉球新報「負担軽減策、知事に説明 きょう外相、防衛相来県」2013/10/08 より。)

日本政府とアメリカ政府は、対中国を想定した防衛方針の見直しを2014年までに行うことに合意。その中には沖縄の負担軽減も含まれており、今回の滋賀県での訓練もそうした動きのひとつと見られる。

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