2015年度から陸上自衛隊に導入される新型輸送機MV22オスプレイの配備先について、防衛省は7月18日、17機全機を佐賀空港(佐賀市)に配備する方針を固めた。普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されているアメリカ軍オスプレイの一部も佐賀空港への移転を進め、沖縄の負担軽減をはかるという。防衛省は武田良太副大臣を佐賀県に派遣、22日に古川康知事と協議する。時事ドットコムなどが報じた。
中国の海洋進出を踏まえ、政府は昨年末に策定した新たな防衛大綱で、鹿児島から沖縄に連なる南西諸島の島しょ防衛重視を掲げた。南西諸島防衛の要で、米海兵隊をモデルにした「水陸機動団」は18年度までに長崎県佐世保市に創設することになっており、機動団の輸送にも使うオスプレイをできるだけ佐世保の近くに配備する必要があった。
防衛省は佐賀空港を、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている米海兵隊のオスプレイの訓練移転先としても利用したい考えだ。背景には、11月の沖縄県知事選をにらみ、沖縄の基地負担軽減策を打ち出したい安倍政権の思惑もある。
(時事ドットコム「オスプレイ、佐賀空港配備へ調整=防衛副大臣が来週知事に要請」より 2014/2014/07/18 23:04)
オスプレイは開発段階から事故が多発したことから、安全性に対する懸念が根強く、2012年にアメリカ軍が沖縄県に配備を決めた際には激しい反対運動があった。佐賀県への配備にも、調整が難航する可能性もある。
佐賀空港の軍事的利用をめぐっては、秀島敏行・佐賀市長が2010年3月、普天間飛行場の佐賀空港への移設案に反対する考えを示し、市議会も「断じて容認しない」とする決議を全会一致で可決している。
古川知事は19日朝、「佐賀空港がオスプレイの配備の候補にあがっていることは分かっている」とした上で、武田防衛副大臣の来県について次のようにコメントしている。
佐賀県の古川康知事は(中略)来週22日に武田防衛副大臣が佐賀県を訪問することについては、「相手方が22日に、何の話をしにくるのかは、詳しくは分からない。今の段階では当日話を伺うだけだ。一部の報道で、佐賀県のほうからオスプレイの配備についてお願いしているというふうな報道があったけれども、まったくそういうことはない。国が真剣に話をしにくるのであればこちらも真剣に話を伺う」と話しています。
(NHKニュース「自衛隊のオスプレイ配備 佐賀空港検討」より 2014/07/19 05:44)
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