大阪府警、犯罪8万件を計上せず「ワースト返上」とウソ 橋下大阪市長が「おわび」

大阪府警は7月30日、府内の全65署が過去5年間の街頭犯罪などの認知件数、約8万1000件を計上せず、過少報告していたことを発表した。
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時事通信社

大阪府警の全65署が、過去5年間の街頭犯罪などの認知件数計約8万1000件を計上せず、過少報告していた。府警が7月30日に発表した。かつて大阪府知事として「街頭犯罪ワースト1返上」を掲げていた橋下徹大阪市長は31日、定例会見で「当時の府のトップとして府民におわびしないといけない」と陳謝した。

全刑法犯のうち、街頭犯罪の認知件数は、大阪府が2000年から10年連続してワースト1だったが、2010年からは東京都を下回ってワースト2に改善したと発表していた。しかし、未計上だった件数を含めると、大阪府は2010年以降もワースト1だった。朝日新聞デジタルなどが報じた。

発表によると、街頭犯罪を含む全刑法犯の認知件数の未計上は、08~12年に計8万1307件あった。昨年、全国で最も認知件数が少なかった秋田県の20年分を上回る。最も多かった11年は2万2042件。毎年、認知件数の4~13%が未計上だった。

未計上のうち「窃盗」が86%を占め、6万9901件にのぼった。内訳は自転車盗3万7013件▽車上狙い5799件▽部品狙い4326件▽ひったくり99件――など。殺人や強盗などの「重要犯罪」も605件が含まれていた。

(朝日新聞デジタル『大阪府警、犯罪8万件ごまかし 「ワースト返上」うそ』より 2014/07/31 05:07)

過少報告が始まったのは2008年。この年に府知事に就任した橋下氏がワースト1返上に言及したため、府警全体で街頭犯罪抑止が最重要課題になった。計上件数が大幅に減った現場には、府警の独自ルールがあったという。

各署の統計担当者は本来、犯罪を把握してからすみやかに「刑法犯認知情報票」を作成し、府警本部と警察庁にデータを送信する。ところが(1)自転車盗は後から被害品が見つかればカウントしない(2)窃盗未遂は実害がないため、計上しない-など大阪独自のルールで、送信件数が大幅に減らされていた。(中略)

複数の担当者が聞き取りにプレッシャーがあったとし、「刑事課長らから、こんなものまで計上しなくていいと言われた」と証言した。

(MSN産経ニュース「街頭犯罪ワースト1返上は虚偽でした…大阪府警、8万事件計上せず 全65署で犯罪数過少報告」より 2014/07/31 00:00)

処分対象は97人で、監督責任があった歴代の刑事総務課長4人(本部長注意)と各署長46人(本部長口頭注意)、各刑事課長47人(警務部長注意、所属長注意)。懲戒処分はなかった。各署の統計業務担当者ら183人は、処分ではなく業務指導とした。

橋下市長は31日の会見で、「僕自身がプレッシャーをかけた。あれぐらい言わないと府警は動かない」と述べる一方で「警察が府民をだますのはあってはならず、組織管理をしてもらいたい」と注文を付けた。

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