「イク」ことに悩むあなたへ 自身の欲望に耳を傾けてみて

生理周期によってセックスの感じ方が異なります。
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親しい友だち同士や恋人にもなかなかオープンにして聞くことができないセックス。そんなセンシティブな質問も含めて、いけしたクリニックの院長・池下育子先生にお伺いしました。ここでは「女性のオーガズム」についてお届けします。

⬛セックスでオーガズムを感じたことがありません

「男性の場合は『オーガズム=射精』なので、感じていることが目に見えてわかりやすいですよね。一方で女性の場合、0.8秒の子宮の収縮があるとオーガズムを感じると言われています。ですが、お互いが同じタイミングで絶頂期を迎えるのは難しいですよ」

と池下先生は、女性のカラダとオーガズムについて丁寧に答えてくれました。

「相手の射精のペースと女性のGスポットやUスポットの快感が、同じ瞬間に感じ合えることはそう簡単ではありません。その一方で、マスターベーションでは、自分の気持ちの良いポイントやペースがわかっているから、オーガズムを感じやすいだけのことです」

そして、必ずしもセックスでオーガズムを感じることにこだわる必要もないそう。

「セックスの目的は、単にオーガズムを感じることだけではありませんよね。セックスにいたるまでの恋人との会話や仕草......こういったリレーションシップでも充分に幸福感は得られます。まずは、自分がどこに満足感を持てるのか意識してみてください」

相手の匂いや言葉遣いなどを感じることで、高め合うことも大切だと言えます。

また、「気持ち良さ」はセックスのシチュエーションによっても左右されやすいもの。自分の興奮が一番高まるシチュエーションを探求して、そこに導いてくれるようパートナーに伝えていきましょう。

「例えば、35歳~40歳の方は女性として成熟されていますよね。ですので、セックスにおいても20代と異なり、自分自身のセックスのメゾットはお持ちだと思います。普段からマスターベーションで自分のオーガズムのポイントを知っていれば、相手にアプローチすることができますから」

とは言うものの......自分の気持ち良さを知っているからといって、相手に自分の欲求をそのまま伝えることができるわけではないと思います。だからこそ先ほど池下先生が言っていたように「セックスにおけるプロセス」を楽しむことも大切にしていきたいですね。

⬛生理周期によってセックスの感じ方が異なります

「生物学的なことから言えば、動物は子孫を残していくために、排卵日が近くなるとアプローチしていきますよね。現代においては、生殖のためのセックスではなく、性欲を満たすセックスとしての役割がより強くなっているように感じます」

人間は進化の過程で、子孫繁栄を目的とした交尾行動とは異なり、快楽を得ようとする性交に変化してきたというのが池下先生の意見。そのため、女性の感じ方が生理周期によって大きく影響されることは少ないそうです。その理由を聞いてみると......。

「例えば、妊娠を望んでいない人は、排卵日のセックスは控えようと無意識のうちに考えています。そのため、膣が濡れにくかったり感じづらかったりするのでしょう。一般的には、生理前の一週間は性欲が強くなる時期と言われています。ちょうどPMSが起こってくることに合わせて、性欲をコントロールする男性ホルモンが女性ホルモンより相対的に目立ってくるため、そのような傾向が現れるのだと言えます」

生理前は着床しづらい体になっているため、妊娠を控えている女性はセックスに対して大胆になれるときで、感じやすくなっているのかもしれません。その一方で、排卵日近くなると性欲が増す女性もいるので、個人差はあるそう。

ここでひとつ大事なことを。

生理中のセックスは、感染症や病気の原因になるため避けてください。

「生理のときに挿入されると、経血が逆流するため、子宮の卵管に飛び散って子宮内膜症になる可能性も。また、局所が不衛生で、雑菌から感染して腹膜炎になるリスクが高まるため、控えてくださいね」

⬛まだ挿入でイクことを実感した経験がないです

「そもそも『イク』ことはどういったものなのでしょうか。オーガズムや感じ方は十人十色ですよね。男性はわかりやすく言えば射精になりますが、女性の場合はGスポットで感じることなのでしょうか」

性交のオーガズムを研究した「マスター&ジョンソン」によれば、女性の性反応は4段階に分かれていると定義されています。しかし、それだけでは一概に言い切れませんよね。イケないからと言って、焦燥感を持つことはまったくありません!

「『イク』という感覚を一生かけても味わえない人もいるでしょう。またオーガズムを感じる間もなく、妊娠・出産を得て今に至っている女性もいますよね。だからこそ、オーガズム(イクこと)を追求できることは、とても幸せなことだと思いますよ。今は感じられないけれども、セックスをポジティブに捉えて、探求していけば良いのですから」

大人の女性は仕事や家族のことで忙しく、自分と向き合うことのできる時間が少ないのかもしれません。そのため、セックスはもとよりマスターベーションをしたいという欲求が起こらないという切実な悩みもあります。

それだけに、自身の欲望に耳を傾けて、プレジャーセックスを追求していけたら素敵ですよね。

院長・池下育子先生のプロフィール

年齢問わず女性に寄り添った婦人科を目指して、いけしたクリニック銀座を開業。婦人科検診から性のお悩みまで幅広く行う。

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