中性子光学における軌道角運動量の制御

今回D Pushinたちが、巨視的ならせん位相板を用いて、中性子ビームの軌道角運動量状態を制御する方法を示している。
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軌道角運動量は、多くの応用に利用される量子化された自由度である。光子の軌道角運動量は、量子力学の基本的検証やイメージングに使用されており、電子の軌道角運動量は、結晶のキラリティーを決定するのに有用であることが分かっている。しかし、この現象はこれまで、中性子では実証されていなかった。今回D Pushinたちが、巨視的ならせん位相板を用いて、中性子ビームの軌道角運動量状態を制御する方法を示している。入射中性子ビームにこの「ねじれ」をかけると、中性子干渉計によって、中性子の量子化された軌道角運動量を分析できる。光子や電子とは対照的に、中性子は重い粒子なので、この結果から、重いオブザーバブルを用いた量子力学の検証に重要で新しい展望が開かれる可能性がある。さらに、中性子の軌道角運動量によって、中性子散乱の新たな手法が可能になるかもしれない。

Nature525, 7570

2015年9月24日

doi: 10.1038/nature15265

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