こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
小池百合子新知事も閉会式出席のためにリオへと出立しまして、いよいよリオ・オリンピックも終盤戦です。ロンドンを上回る「メダルラッシュ」に、日々寝不足という方も多いのではないでしょうか。
オリンピックが終わると引き続きパラリンピックが開催されるわけですが、ここで思い出したのが舛添前知事も言及したメダリストの「報酬格差」問題です。
ご案内の通り、五輪ではメダルを獲得すると選手には国から(JOCから)「報奨金」がもらえます。国によっては金メダルを獲得すると「一生遊んで暮らせる」くらいの金額がもらえるところもあるようですが、日本では以下のとおり。
【オリンピアンの報奨金額】
金メダル:500万(※リオ五輪から300万円より増額)
銀メダル:200万
銅メダル:100万
※ここに、競技によっては選手会や協会から上乗せで報奨金が支給される(参考)。
これを多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれというところでしょう。しかしながら、同時に開催されるパラリンピックとなると、報奨金がガクッと下がります。
【パラリンピアンの報奨金額】
金メダル:150万
銀メダル:100万
銅メダル:70万
このように、金・銀に関してはきっかり2倍の開きがついてしまっています。実はこの報酬金額は2014年に改定されまして、それ以前は「金100万・銀70万、銅50万」でした。この報酬金額の差を問題視していたのは、実は前述のとおり舛添前知事なのです。
2014年3月の都議会本会議にて、私からの一般質問に対して以下のように回答しています。
(写真は知事の部屋より)
続きまして、パラリンピックに取り組む覚悟についてでございますけれども、私は厚生労働大臣として、障害者スポーツには、特にこの発展ということを大変努力してまいったものであります。
例えば、メダルをとった方に対する報奨金、これは今、ゴールドメダリスト、オリンピックだと三百万、しかしパラリンピックは百万円なんですね。
私は、こういう差別があっていいのかということで、大臣のときに、もっと低かったのを相当上げるよう努力をしてきたつもりで、例えば二〇二〇年には、みんなの力で同額に持っていきたいと、こういうことを考えております。
参考過去記事:パラリンピックが、オリンピックと初めて共催されたのはいつ?【一般質問】
ここに関しては舛添前知事は有言実行。同額とはいかないまでも、内外の尽力で年度内に報酬額を1.5倍にまで引き上げることに成功しているのです。
...というか、上記は舛添知事が就任して最初の定例会の議事録なんですけど、すごい良いことを色々と自分の言葉で言っているんですよね。2年間でどんどん変わっていったんだなあ...しみじみ。
もちろんオリンピックとパラリンピックはそもそも成り立ちが異なることや、競技規模・商業規模などが異なるなど事情はあるのかもしれません。
しかし、口先では「オリンピックとパラリンピックは同価値」と言いながら、このような明白な格差が残るようでは説得力がありませんし、パラリンピックをオリンピックと同様に盛り上げることなど夢のまた夢となってしまいます。
パラリンピックは、世界最大の障害者のスポーツの大会でありますし、同時に、障害者に対する理解を促進し、都市のバリアフリー化を加速させるなど、社会的にも大きな意義を持った祭典であります。都は、二〇二〇年に向けて、町や施設のバリアフリー化を進めてまいります。
また、パラリンピック競技の普及を推進し、各会場に満員の観客を集めることで、パラリンピアンに最高の舞台を用意したいと思っております。
開催都市の長として、二〇二〇年のパラリンピック東京大会を史上最高の大会に仕上げるために全力を尽くしていく所存であります。
同じく、舛添前知事の言葉です。このリオ五輪の盛り上がりがパラリンピックまで継続することを祈念するとともに、4年後の東京五輪に向けて、格差解消を含めた様々な提言を検証していきたいと思います。
それでは、また明日。
※8/18 11:00追記
「リオ五輪から、オリンピックの金メダル報酬のみ500万円に増額されている」との指摘があり、記事の一部とタイトルを修正いたしました。ご連絡いただいた皆さま、ありがとうございました。
(2016年8月17日「おときた駿公式ブログ」より転載)