こんばんは、おときた駿@ブロが0-都議会議員(北区選出)です。
一昨日、オリンピックにかかる費用が当初の6倍である
1兆8千億円にふくらんだという衝撃のニュースが駆け巡りました。
これについて私の方にも複数の問い合わせがありまして、
早速東京都の担当局に確認を入れたところ、
「東京都は、そういった話しを何も聞いていない」
「五輪組織委員会も、費用試算の数字は現時点で持っていないと言っている」
との気の抜けた返事で、オイオイオイ...と思っていたところ、
柳ケ瀬都議も同様の対応をされたみたいで苦笑してしまいました。
どこから出てくるのかわかりませんが、
こうした報道の数字は得てしてそれなりに正しいことが後々に判明するもの。
五輪組織委員会が
「2兆円程度はかかる」
と発言していたとの報道もあり、
東京五輪にかかる費用は想定を超えて莫大なものになることは確実でしょう。
3年前の猪瀬前知事のツイートが再び脚光を浴びているようです。
嗚呼、諸行無常...
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では膨れ上がった費用は誰が補填するのか?
柳ヶ瀬都議が指摘するように、立候補ファイルに明確な記載があります。
大会組織委員会予算についての保証
東京2020は大会組織委員会の予算が均衡の取れたものであることを強く確信している。しかし、万が一、大会組織委員会が資金不足に陥った場合は、IOCが大会組織委員会に支払った前払金その他の拠出金のIOCに対する払い戻しを含めて、東京都が補填することを保証する。また、東京都が補填しきれなかった場合には、最終的に、日本国政府が国内の関係法令に従い、補填する。
東京都は、大会組織委員会予算約3,010億円に対し、非常に大規模な財政規模(2012年度の予算で11.8兆円)を有しており、万一の大会組織委員会の資金不足に対しても十分に補填することができる。
(立候補ファイル第1巻6 財政保証より)
...よくよく読むと、凄いことが書いてありますよねコレ。
もちろんコンペに勝ち抜くために
「わが東京都および日本は、これだけお金があります!」
と主張したかったのでしょうけれど、
現実として補填を要請される側はたまったものではありません。
上記の内容でもおわかりの通り、東京都は五輪運営の中で
極めて責任の重い・重要な立場に位置しています。にも関わらず、
この当事者意識の希薄さは一体なんなのでしょうか。
以前から再三申し上げている通り、オリンピックは「都市の祭典」です。
本来であれば開催都市である東京都がイニシアティブを持つはずなのです。
五輪組織委員会のコントロール外でこのような数字が
独り歩きしていることからも、組織ガバナンスに大きな疑問が残ります。
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もちろん出来る限りのコストカットは行っていくとしても、
爆増が確実な財源に国民・都民の理解を得るために
現実的な手を打っていかなければなりません。
それこそ舛添知事が得意とする「情報公開」の出番ではないでしょうか。
信頼を担保するのは実は、金額の妥当性よりもフェアネスとオープンな姿勢です。
プロセスも含めた適切な情報公開で、共に五輪に向かって歩むことはできるはずです。
新国立競技場・エンブレム問題を通じて、
組織委員会の閉鎖性は明らかになってきたところです。都市の祭典の主役である
東京都こそが主導権を取って運営できるよう、引き続き政策提言を続けていきます。
それでは、また明日。
(2015年12月22日 「おときた駿公式ブログ」より転載)