シェールガス採掘が群発地震誘発か:アメリカ・オクラホマ州

アメリカ地質調査所(USGS)のデータによると、オクラホマ州で発生したマグニチュード3.0以上の地震は、1975年から2008年までは年平均1~3回程度発生していた。だが、2009年以降、その平均発生回数は年約40回に増えている。USGSは、10月22日(米国時間)に発表したリリースの中で、この「群発地震」の急増は自然に発生した現象ではない可能性が高いと述べている
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アメリカ地質調査所(USGS)のデータによると、オクラホマ州で発生したマグニチュード3.0以上の地震は、1975年から2008年までは年平均1~3回程度発生していた。だが、2009年以降、その平均発生回数は年約40回に増えている。

USGSは、10月22日(米国時間)に発表したリリースの中で、この「群発地震」の急増は自然に発生した現象ではない可能性が高いと述べている。

「われわれは統計的な分析により、最近になって地震の発生頻度が変化したことを確認した。この変化は、自然な地震活動率で通常見られる不規則な変動によるものではないと見られる」と、USGSの地震学者ビル・ライス氏はリリースの中で述べている。「これは、自然に起こる群発地震をモデル化したときに通常観測されるものとは大きく異なっている」

USGSは、これらは「注水誘発地震」である可能性を示唆している。注水誘発地震とは、石油や天然ガスの採掘に伴って、水などの液体を地中深くに注入することで発生するとされる地震のことだ。具体的には、シェールガスを採掘するための水圧破砕(フラッキング:水圧によって地中の坑井に人工的に大きな割れ目をつくってシェールガスを採取する技術)の際の注水や、採掘過程で生じた廃水の地中への注入などが指摘されている。

水圧破砕や、廃水の地下廃棄については、どちらもその安全性が激しい論争の的となっている。高圧液体の注入と、地震を誘発する断層との関連は明白ではないものの、関連性を指摘する声は多く上がっている

オクラホマ州プラーグでは2011年11月、マグニチュード5.6の地震が発生した。この地震は、同州でこれまで記録された最大の地震であり、約1300キロメートル離れたウィスコンシン州ミルウォーキーで揺れが感じられるほど大きなものだった。14戸の家屋が倒壊し、高速道路にひびが入り、2名が負傷した。コロンビア大学の研究チームはこの地震について、石油採掘と関係した廃水の注入を原因とした最大規模の地震である可能性がある、と結論付けている

コロンビア大学のチームは2011年に起きた11回の地震を分析し、これらの地震と注入井が関連している可能性は「非常に高い」と州当局に報告。その結果、当局は注入井の一時閉鎖を決定した。2011年にはアーカンソー州でも大規模な群発地震が発生し、当局は注入井2か所の操業を一時停止させている

USGSは2012年4月にも、アーカンソー州、コロラド州、オクラホマ州、ニューメキシコ州、テキサス州の米内陸部で、マグニチュード3以上の地震が20世紀の平均の6倍に増えたと指摘。「地震活動率の変化は、ほぼ確実に人為的だ」との報告書をまとめている

なお、フランスには欧州最大のシェールガス田が眠る可能性があるとされるが、フランス政府は2011年、飲料水への汚染懸念を理由に水圧破砕を禁止。さらにフランス憲法裁判所は2013年10月11日、「政府による水圧破砕の禁止は合憲」との判決を出している

[Ryan Grenoble(English) 日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]

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