福岡県沖ノ島の宗像大社沖津宮(おきつぐう)を参拝する報道関係者ら=2016年9月30日
■女人禁制の理由とは?
沖ノ島は島全体が宗像大社の神領となっており、一般人の立ち入りが厳しく制限されてきた。一般人の立入りが許されるのは男性だけだった。1958年以来、1年に1回、日露戦争の戦没者を慰霊する5月27日の「現地大祭」の際に、抽選で選ばれた約200人が入島を許されていた。
女人禁制の理由は明らかになっていないが、Japan Timesでは複数の説を紹介している。まず九州大学の服部英雄・名誉教授によると神道では血液を「穢れ」としてタブー視しているため、月経がある女性の来島を禁止したのだという。一方、宗像大社は「沖ノ島への航海は非常に危険なので、子孫を守るために女性たちの来訪を禁じた」と別の説明をしている。
この風習について、2016年にはヒンズー教徒団が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に女性の入島を許さない限り世界遺産に登録しないことを要求するなど反発も出ていた。
朝、沖合いから眺めた沖ノ島
■現地大祭への一般人参加が中止に
こうした批判を意識したのか、宗像大社は男性の入島も禁止した。NHKニュースによると、島を管理する宗像大社は、沖ノ島が「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産の1つとして世界文化遺産に登録されたことを受けて、7月15日、宮司らによる会議を開いた。
その結果、世界遺産委員会から求められている遺産の保全・管理に厳格に取り組む姿勢を示すため、現地大祭への一般人の参加を2018年から取りやめることを決定したという。ただし、学術調査をする研究者や神社関係者の上陸は今後も認めるという。
■ネット上の反応は?
一般人の全面立ち入り禁止について賛否両論が出ているかと思ったが、ネット上では取り組みを評価する声が多かった。
「男女平等の問題を回避するために逆転の発想」「昔からの自然を守る為には仕方ない」「観光目的で神宿る島をむやみに汚されたくはない」といった意見が出ている。
■関連スライドショー(沖ノ島)
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