沖縄密約文書の開示請求、最高裁も認めず 西山元記者らの上告棄却

1972年の沖縄返還を巡る日米間の密約を示す文書について、元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)らが国に開示を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は7月14日、原告側の上告を棄却した。
|
Open Image Modal
時事通信社

1972年の沖縄返還を巡る日本とアメリカの間の密約を示す文書について、元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)らが国に開示を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は7月14日、原告側の上告を棄却した。

国に開示を命じた1審判決を取り消し、原告側の請求を退けた2審・東京高裁判決(2011年9月)が確定した。MSN産経ニュースなどが報じた。

開示を求めていたのは(1)米軍用地の原状回復補償を日本側が肩代わり(2)米短波放送施設の移転費を日本側が負担(3)沖縄返還協定の額(3億2千万ドル)を大きく上回る額を日本側が負担-に合意したとされる密約に関する文書。外務、財務両省は平成20年10月に「不存在」を理由に不開示としたが、1審結審後、外務省の有識者委員会などが「広義の密約」を認める報告書を公表した。

22年4月の1審東京地裁判決は、米側公文書や吉野文六元外務省局長の法廷証言などから密約文書の存在を認定。「政府にとって秘匿の必要性や重要性が高い文書で存在していないとは認められない」として文書の開示を命じ、原告1人当たり10万円の国家賠償も認めた。

(MSN産経ニュース「【沖縄密約開示訴訟】元毎日記者の敗訴確定 最高裁が上告棄却」より 2014/07/14 16:11)

2011年の2審判決も密約は認定したが、「秘密裏に廃棄された可能性があり、不開示の決定自体は適法」として1審判決を取り消した。

最高裁は、密約文書が存在したかについては言及しなかった

コトバンクは、「沖縄密約問題」について次のように説明している。

1972年の沖縄返還をめぐり、日米間で交わされた秘密合意。米国側の情報公開や関係者の証言で存在が指摘されていたが、歴代自民党政権は否定し続けてきた。民主党への政権交代後、岡田克也外相(当時)が設けた有識者委員会は2010年3月、調査報告書を提出。「沖縄返還に伴い、本来、米側が負担すべき沖縄の原状回復補償費400万ドルを日本側が肩代わりする」との秘密合意を「広義の密約」と認定した。

(コトバンク「沖縄密約問題 とは」より 2014/01/19)

【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています