沖縄で20歳の女性を暴行・殺害した疑いで元アメリカ海兵隊員で軍属の男が逮捕された事件を受けて、沖縄県那覇市の公園で6月19日午後2時から、被害者を追悼し、海兵隊の沖縄からの撤退を求める大規模な集会が開かれ、6万5000人の県民(主催者発表)らが参加した。主催は翁長雄志知事を支持するグループ「オール沖縄会議」。沖縄県議会与党会派の社民党、共産党、地域政党の沖縄社会大衆党、市民グループなどが参加した。
県民大会では、被害者の女性を悼み、参加者による黙祷が捧げられた。沖縄県知事の翁長雄志氏は、被害者に対して「守ってあげられなくてごめんなさいというお詫びの気持ちが浮かんできた。21年前の県民大会で二度と起こさないと誓った事件を再び起こしたこと、責任を感じている。政治の仕組みを変えられず、政治家として、知事として痛恨の極みだ」と話した。
また、オール沖縄会議共同代表で名桜大4年の玉城愛さんは「安倍晋三さん、本土にお住まいの皆さん、加害者はあなたたちです。しっかり沖縄に向き合ってください」と涙ながらに訴えた。
大会では、「1972年の本土復帰から2016年5月までの米軍関係者による犯罪は5910件、凶悪事件575件の異常事態である」として、(1)日米両政府は遺族・県民に謝罪し完全な補償を(2)海兵隊の撤退、米軍基地の整理縮小、普天間飛行場の閉鎖・撤去(3)日米地位協定の抜本的な改定の3点を決議した。安倍首相やオバマ米大統領ら宛に届けられる。
事件に抗議し、海兵隊撤退を求める集会は、米海兵隊基地キャンプ・シュワブ(名護市)のゲート前でも行われたが、19日の大会がこれまでで最大規模となった。一方で、朝日新聞デジタルによると、大会への参加を要請されていた自民、公明両党などは、参加しない意向を伝えていた。産経ニュースによると、県内11市長のうち9市長も参加を見送った。
1995年9月に起きた沖縄米兵少女暴行事件では、同年10月に宜野湾市で事件に抗議する県民総決起大会が行われ、8万5000人が参加。日米地位協定の運用改善や、日米間での普天間基地返還・移設合意につながった。
沖縄県の地元紙、沖縄タイムスなどは集会の様子をライブ中継した。
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