沖縄県の若者らが運営する「辺野古」県民投票の会が5月23日、那覇市内のホテルでキックオフ集会を開き、県民投票実施のための署名集めに協力を求め市民らに呼び掛けた。
■世代間の対話ない現実から
会の代表を務める元山仁士郎さん(一橋大院生)は、2つのテーマを持って県民投票の準備に臨んでいるとして、次のように話した。
1つは、県民投票を通じて世代間の対話を行いたい。
沖縄はここ20年ほど、米軍基地問題、特に大きな「辺野古」問題を抱えている。これについて、若い人たちが上の世代と話をするということが、なかなかできていないと感じている。
沖縄戦の体験をどのように受け継いでいくのか。今の平和教育のありかたなどについても、今一度考える時期にきているのではないか。
もう1つは、島々との対話だ。
私たちの中には沖縄本島に住んでいる人が多い。他の島々の課題についてどれくらい知っているだろうか。これは「琉球」から続く歴史の中で、ものすごく大きな課題。誰も取り組んでこなかった課題ではないだろうか。
■「辺野古」は国家レベルのパワハラ
集会には呉屋守将さん(金秀グループ会長)が顧問として参加した。呉屋さんは、これまでも県民投票実施に前向きな姿勢をみせてきた。(参考記事 呉屋共同代表が辞任 「辺野古」阻止は継続 オール沖縄会議)
呉屋さんは「国家レベルのパワハラが辺野古問題に集約されている」として、本土復帰後も平和、民主主義、県民の人権が蔑ろにされている沖縄の現実を指摘した。
また、県民投票への思いを次のように語った。
(基地建設を巡り)どうして同じ沖縄県民、ウチナーンチュ同士が半世紀近くもいがみ合わないといけないのか。
今の時点でわれわれウチナーンチュはこういう結論を出しましたと、県民投票を通じて、一定の終止符を打ちましょうということ。
投票結果をそばに置き、新しい沖縄の振興策、経済発展、人権擁護の戦いにどう取り組むかということを一生懸命考えていきたい。
名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、埋立工事の賛否を問う県民投票に向けた準備が本格化している。