人気マンガ『美味しんぼ』の原作者である雁屋哲(かりや・てつ=73)氏が2015年1月、福島第一原発の事故をめぐって主人公が鼻血を出す描写が問題となった騒動について、自身の意見をまとめた本を出版することを明らかにした。12月10日、自身のブログに投稿した。
問題となったのは、2014年4月28日と5月12日に発売された小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載された同作品の描写。福島第一原発を訪れた主人公が、鼻血を出したり疲労感に襲われたりする様子や、双葉町の前町長・井戸川克隆氏が実名で登場して、「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」と話すシーンなどが描かれていた。
これらの描写は議論を巻き起こし、福島県や地元政界などが発行元の小学館に抗議する騒動に発展。その後、『美味しんぼ』は一時休載となったが、雁屋氏は自身のブログで「休載は、去年から決まっていた」と述べていた。
問題となった描写部分を含む『美味しんぼ』の単行本第111巻「福島の真実篇2」が12月10日に発売されたことにあわせて雁屋氏はこの日、約半年ぶりにブログを更新。『美味しんぼ』とは別に、自身の意見をまとめた単行本を、2015年1月に出版する考えを明らかにした。タイトルは明かさなかった。
雁屋氏は読者に対し、『美味しんぼ』111巻と合わせて2013年8月に発売された第110巻も読んだ上で、意見を述べてほしいとしている。以下にブログの全文を紹介する。
12月10日
「美味しんぼ」第111巻「福島の真実篇 2」が刊行されます。
色々と問題になった件も掲載されています。
お読み下されば、有り難いと思います。
例の 「鼻血問題」に対する私の意見は、本にして来年の一月に発行します。
まずは単行本第110巻と111巻をお読み頂いてから、ご意見を賜りたいと存じます。
一部分だけ読んで、あれこれ言うのは反則でしょう。
(雁屋哲氏ブログ「お知らせ」より 2014/12/10)
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【訂正】2014/12/10 17:36
当初の記事で、井戸川克隆氏の肩書きを「浪江町の前町長」としていましたが、正しくは「双葉町の前町長」でした。
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