※記事には、発砲の動画が含まれます
ミネソタ州ミネアポリス郊外のブルックリンセンターで4月11日、職務質問を受けていた20歳の黒人男性ダンテ・ライトさんが、警察に撃たれて死亡した。
ブルックリンセンター警察のティム・ガナン署長は12日の記者会見で、ボディカメラの映像を公開。撃った警察官は、スタンガンでショックを与えようとして誤って発砲してしまったと説明した。
ガナン氏によると、警察は11日午後に交通違反でライトさんの車を停車させ、その後車内に戻ろうとしたライトさんに向かって、一人の警察官が発砲した。
ライトさんは、当初、警察の指示にしたがっていたが、急に車内に戻る様子を見せた直後、警察と揉み合った。
「ボディカメラの映像や警察官の話から、テーザー銃を使おうとして、ライト氏を一発の銃弾で撃ってしまったと思われます」
「警察官が発砲した直後にショックを受けている様子から、誤発砲が結果的にライト氏の悲劇的な死につながってしまったのではないかと思います」とガナン署長は説明した。
公開されたボディカメラの映像には、車の外でライトさんを逮捕しようとしている警察官、そして車内に戻ったライトさんに女性警察官が何度も「テーザー銃」と叫んでいる様子が映る。
その後、警察官は銃のようなものを取り出して発砲。ライトさんの車が走り去った後、「彼を撃ってしまった」と同僚に伝えている。
※警告:このTwitterの内容には、発砲された時の様子が含まれています
警察によると、ライトさんの車は数ブロック先まで進んだ後に、別の車に衝突した。警察官が救急隊を呼んだが、ライトさんは現場で死亡した。
ライトさんは登録期限が切れた車を運転していたことを理由に停車させられたが、職務質問中に警察官がライトさんに逮捕状が発行されていることに気づいたという。
ガナン署長は銃撃した警察官の身元を明らかにしなかったものの、ベテランの警察官だと述べた。発砲については調査が進められていおり、結果が明らかになるまで、発砲した警察官は休職扱いになっている。
ミネアポリスでは2020年に、黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官のデレク・ショーヴィン容疑者に首を抑え付けられ、死亡した。ショーヴィン容疑者の裁判は現在、ミネアポリスで行なわれている。
ライトさんが亡くなった11日午後には、約500人がブルックリンセンター警察に向かって歩き警察に抗議した。
それに対し、暴動鎮圧の装備をした警察が、集まった群衆に催涙ガスや閃光手りゅう弾やゴム弾を使い、緊張が高まった。
ミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長は12日、ミネアポリスに緊急事態宣言を発令し、12日午後7時から13日午前6時までの外出禁止にした。
ライトさんの母親は銃撃の後「ダンテのために正義を」と訴えた。その一方で「暴力的になって欲しくありません」と述べ、平和的な抗議活動を求めた。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。