「序の舞」「藏(くら)」など運命に翻弄されながらも高い志を持って生きる女性の一生を描いて、多くのベストセラー作品を生み出した作家の宮尾登美子(みやお・とみこ)さんが、2014年12月30日、老衰のため死去した。88歳だった。産経ニュースなどが1月7日、伝えた。
高知市生まれ。昭和20年に満州(現中国東北部)に渡り、21年に帰国。満州の収容所生活の極限状態を書き残そうと、作家を志した。37年に「連」で婦人公論女流新人賞を受賞したが、作家として花が開かず、長い下積み時代を過ごした。
48年に生家の家業である芸者紹介業や両親を題材にした「櫂(かい)」で太宰治賞を受賞、本格的にデビューする。54年に「一絃の琴」で直木賞を受賞した。以来、女性画家の上村松園がモデルの「序の舞」(吉川英治文学賞)、ベストセラーとなった「蔵」など、時代や因習に翻弄されながらも、芯の通ったりりしい女性を描き、多くの読者を魅了した。
(作家の宮尾登美子さんが死去 「鬼龍院花子の生涯」「櫂」「天璋院篤姫」など - 産経ニュース 2015/01/07 15:59)
舞台や映画、ドラマになった作品も多く、夏目雅子主演の映画になった「鬼龍院花子の生涯」や、NHK大河ドラマになった「宮尾本 平家物語」「天璋院篤姫」など、人気を博した。2008年に菊池寛賞、2009年には文化功労者に選ばれた。
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