オバマケア撤廃に突き進む共和党、トランプ氏は抑制気味?

オバマケア撤廃に関して、自分の所属する共和党の戦略を懸念し、自制を求めているように思える。
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オバマケア撤廃について会見するマイク・ペンス次期副大統領。後方はポール・ライアン下院議長

アメリカのオバマ大統領が推進してきた医療保険制度改革(オバマケア)をめぐり、撤廃を目指す共和党と存続させたい民主党の間で、議会の攻防が激しさを増している。

しかしトランプ次期大統領が3日に投稿した一連のツイートによると、オバマケア撤廃に関して、自分の所属する共和党の戦略を懸念し、自制を求めているように思える。

「保険の範囲が狭く、保険料がアリゾナ州で116%にまで高騰し、機能不全となったオバマケアの大失敗の責任を民主党が自認している時点で、共和党は注意しなければならない」と、トランプ氏はツイートしている。

「シューマー院内総務以下、民主党の役立たずたちをこの複雑な状況から解放させてはならない。今年起きるのはオバマケアの保険料の大幅な増加であり、民主党にこの混乱の責任がある」と、トランプ氏は上院のチャック・シューマー民主党院内総務に言及した。「負担が大き過ぎて、支えることができない。気をつけろ!」

共和党議員は、トランプ氏が大統領就任直後に署名できるように、オバマケア撤廃の法案を通過させる準備をしてきた。トランプ氏は共和党がこの手続きを進めるべきだと言っているわけではないが、もし共和党が健康保険法の消費者交付金と保険会社の規則を中断させる法案を通過させれば、トランプ氏が示唆しているように、もはや共和党がオバマケアの欠陥に対して、民主党を非難し続けることは困難になる。

医療保険制度改革法は、以前は保険に未加入だった2000万人のアメリカ人にまで、保険適用範囲を拡大した。この法律を完全撤廃すれば、こうした人々を再び未加入の状態に戻すことになる。

マイク・ペンス次期副大統領は3日、議会でオバマケア撤廃の公約を繰り返した。「発令すべき最初の大統領令は、オバマケアの撤廃と代案への差し替えだ。これは本日の我々のメッセージだが、今後は議会での我々のメッセージとなる」と同氏は述べた。「これは実行しなければならない」

「オバマケア撤廃と代案への差し替え」の問題について、この医療制度改革が7年前に施行されて以来、共和党は一枚岩ではなかった。共和党の考えている一つの案は、今後4年間かけて、実際にはオバマケアの要素を残している「撤廃」法案をすぐに通過させることだ。

医療関係者は、代案もなしに撤廃法案を通過させると、たとえその撤廃時期がずれるにしても、大きな混乱を招くだろうと警告している

民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務は、明らかに撤廃と遅延を狙っているとして、共和党を非難している

「撤廃と遅延、それが共和党の卑怯な法案です」と、ペロシ院内総務は述べた。「共和党は差し替えのために票を獲得しようとしているのか? もし実際にそうだとしても、思想的に彼らはアメリカ人の健康に対して、公的な役割を果たすことも、参加することも一切反対している。もし彼らが超党派で活動することを望まないのなら、どこから票を得てくるつもりなのか?」

トランプ氏自身はこの問題に関して、様々な立場を取りつつも、オバマケア撤廃で選挙運動を進めてきた。選挙後には、この法律の核となる部分を残すことを検討していると明らかにしている。オバマケアがなければ保険市場から締め出されていた、既往症を持つ数百万人の人々が、保険を利用できる選択肢を保留しておくということだ。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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