オバマ米大統領は3日、環太平洋連携協定(TPP)交渉妥結に向けた協力を得るため、TPPに消極的な民主党下院議員の説得に力を入れ始めた。
交渉妥結に不可欠とされる大統領貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法案は、先月に上院で可決されたものの、月内に見込まれる下院での採決はさらに難航すると予想される。
大統領はこの日、サクラメントやサンディエゴ、シアトル、エル・パソ、ダラスのテレビキャスターによるインタビューを相次いでこなした。これらの地域の大半は、TPA法案への態度を明らかにしていない民主党議員の地元だ。
下院では大半の共和党議員が法案に賛成するとみられているが、法案成立には一部の民主党議員も賛成に回る必要がある。オバマ大統領は電話や面会を通じて既に説得に乗り出しているが、地元テレビとのインタビューを通じて議員への圧力をさらに強める考えだ。
民主党議員の間では、TPPで国内の雇用が奪われるとの懸念が根強い。
またオバマ米大統領はラジオ番組マーケットプレースのインタビューで、中国がいずれかの時点で環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する可能性を探っていると述べた。インタビューの一部が3日、ウェブサイトに掲載された。
大統領は、アジアの近隣諸国がTPP協定を締結すれば「中国は少なくとも国際基準を考慮する必要が出てくる」と述べた。[ワシントン 3日 ロイター]