オバマ大統領が一般教書演説 富裕層増税打ち出す

オバマ米大統領は20日、一般教書演説を行い、中間層支援の一環として、中小企業の税制簡素化のほか、最低賃金を支払わない企業に対する新たな罰則を提案した。
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WASHINGTON, DC - JANUARY 20:President Barack Obama delivers his State of the Union address before a joint session of Congress on Tuesday, January 20, 2015 in Washington, DC..(Photo by Ricky Carioti/The Washington Post via Getty Images)
The Washington Post via Getty Images

[ワシントン 20日 ロイター] - オバマ米大統領は20日、一般教書演説を行い、中間層支援の一環として、中小企業の税制簡素化のほか、最低賃金を支払わない企業に対する新たな罰則を提案した。また、貿易促進法案の承認を議会に要請した。

大統領は中間層支援の財源を確保するため、富裕層への増税を提案した。キャピタルゲイン課税の税率を現行の23.8%から28%に引き上げるほか、富裕層に恩恵が偏ることの多い税制の抜け穴をふさぐ。

中間層支援策としては、子供を抱える世帯について、税額から控除できる金額を最大3000ドルと、現在の3倍にすることを提案した。

共和党は中間選挙の結果、上下両院で多数派となった。今回の一般教書演説は、大統領が共和党支配の議会で行う初の演説。オバマ大統領は、議会に対して、対立という「古いパターン」と決別するよう要請。国の未来に関する議論に集中し中間層支援に協力するよう求めた。

演説で打ち出した政策の多くは、一般の国民の支持を得やすい内容だが、共和党からは強い反発が予想され、実現の見通しは厳しそうだ。

大統領は、失業率が5.6%に低下するなど景気の回復傾向について、現政権の経済政策の成果と強調。リセッション(景気後退)や戦争に見舞われた過去から「新たなページをめくる」べき時、と述べた。

<キューバ、イスラム国>

外交政策に関しては、対キューバ経済制裁の解除を議会に要請した。オバマ大統領は昨年12月、これまで50年にわたって国交を断絶してきたキューバとの国交正常化に乗り出す方針を明らかにしている。

「イスラム国」への武力行使に関する新たな権限の付与も求めた。