オバマ大統領の広島訪問とその演説内容について、中国と韓国は対照的な反応を見せた。
中国の王毅外相は演説に先立ち、「広島は注目に値するが、南京はもっと忘れてはならない。被害者には同情するが、加害者は永遠に責任を回避できない」と記者団に述べ、日本を強く牽制した。オバマ氏の広島訪問が、第2次世界大戦での日本の戦争責任を相殺するという懸念を表明した形だ。
韓国では、オバマ大統領が演説の中で、韓国人の原爆被害者の存在に言及したことに注目した。
朝鮮日報によると、韓国外交省は5月27日「アメリカ現職大統領として初めて、広島で韓国人の犠牲者を明示的に哀悼した点を高く評価する」とコメントした。「同盟国として、すべての課題において緊密に協議するという点で、この問題についても各レベルのチャンネルを通じて協議してきた」と、韓国人犠牲者に言及することを要請していたことを示唆した。
一方、メディアの報道からは残念さがにじんだ。演説内容を伝える記事で、聯合ニュースは「しかし原爆投下について謝罪しなかった」「演説の途中で韓国人の原爆犠牲者の存在に言及したが、公園内にある韓国人犠牲者の慰霊碑を訪れることはしなかった」、朝鮮日報も「期待を集めたオバマ大統領の韓国人慰霊碑訪問は実現しなかった」と報じた。
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