オバマ米大統領は2日、ロイターとの単独インタビューに応じ、イランは核合意に向け少なくとも10年間の検証可能な核開発停止にコミットすべきだと述べた。ただ、今のところ最終合意は難しいとの認識を示した。
対イスラエル関係については、ネタニヤフ首相の米議会演説は両国関係に深刻な悪影響を及ぼさないとの認識を示した。
<米・イスラエル関係「恒久的打撃」想定せず>
大統領は、イランの核問題で米国の対応に不満を持つイスラエルのネタニヤフ首相がホワイトハウスとの調整なしに米議会で演説することについて、米・イスラエル関係にとって「恒久的な打撃」にはならないだろうと述べた。
ただ、イラン核問題の解決に向けた手法で米政権とイスラエル政府との間に「相当の意見の不一致」があることを認めたうえで、「実際にイランが核プログラムを10年以上現状でとどめ、現状から後退させることに前向きで、実際にそれを把握し、検証する方法がなければ、彼ら(イラン)が核兵器を持っていないと確実に言える他の手段はない」と強調した。
大統領はネタニヤフ首相の議会演説をめぐる問題について、「これは個人的な問題ではない。米国が政策決定プロセスを有していることを、米国との関係において全ての国が認識することが重要だと思う」と指摘。そのうえで、同首相が今月17日の総選挙で勝利すればあらためて会談するとした。
<イラン核問題 楽観できず>
6月30日を期限とするイランとの核交渉をめぐる最終合意の見通しについては、イランが厳格な検証に応じるかや、低レベルのウラン濃縮能力維持に同意するかどうかに強い疑念があると述べた。
一方、訪米しているネタニヤフ首相は2日、イスラエル関連団体での演説で、核合意はイスラエルの生存を脅かすと警告する一方、米・イスラエル関係は「これまで以上に強固だ」と述べた。
<ロシア社会の状況に懸念>
オバマ大統領はまた、ロシアの野党指導者殺害について、人権や報道の自由が後退している同国において社会状況が悪化している兆候だとの認識を示した。
<キューバとの国交正常化、道筋つけたい>
キューバとの国交正常化交渉については、4月10─11日の米州首脳会議までに両国の大使館再開を実現したいとの意向を示した。
完全な国交回復には解決すべき問題が多く、時間を要するとしながらも、米州首脳会議までに「両国の大使館再開、そして最初の土台作りの一部ができることを期待する」と語った。
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