オバマ大統領、クリントン氏支持を表明 トランプ氏が早速噛みつく「オバマがインチキを支持した」

オバマ大統領はヒラリー・クリントン氏を支持し、クリントン氏が確実にホワイトハウスの後継者になるよう戦う意思を示した。
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US Democratic presidential nominee Senator Barack Obama (D-IL) and Senator Hillary Clinton (D-NY) step off the campaign plane in Orlando, Florida, October 20, 2008. REUTERS/Jim Young (UNITED STATES) US PRESIDENTIAL ELECTION CAMPAIGN 2008 (USA)
Jim Young / Reuters

アメリカのバラク・オバマ大統領は6月9日、アメリカ大統領選の民主党候補指名を確実にしたヒラリー・クリントン氏を支持し、クリントン氏が確実にホワイトハウスの後継者になるよう戦う意思を示した。

オバマ大統領は、9日に公開された動画で支持を明らかにした。動画の中で、「大統領にこれほどふさわしい人物はいない」「この仕事がどんなに厳しいものか私はよくわかっている。だからこそクリントン氏がふさわしい」などと述べている。

丸1年以上を経た今、何千マイルもの距離を超え、全50州にわたって、数千万人のアメリカ人たちが、自らの声を届けました。

今日、私はただ、そこに自分の声を付け加えたいだけです。私は、ヒラリー・クリントン氏を祝福したいと思います。民主党による、アメリカ合衆国大統領の民主党候補者として指名確実となり、彼女が歴史を作ったことを称えます。私は、この仕事がどれほど大変なものになりうるかを知っています。だからこそ、私はヒラリーがその仕事をとてもうまくやれるだろうと分かっているんです。

私は、この大統領の職務を務めるのに、これまでこんなにふさわしい条件を備えた人がいたとは思いません。彼女は勇気、共感心、そして、この仕事を成し遂げる情熱を持っています。それから、彼女と20回以上も公開討論会をした人間として、私は言います。激戦だった私たち自身の選挙運動以来、彼女は私たちの国のために国務長官として働くことに同意してくれました。これは、彼女の人柄の証明です。私たちは、ホワイトハウスの危機管理室で、ビン・ラディンを捕まえるため、外交を世界中の首都で続行するために、決断を下しました。この決断以来、私は間近で、彼女の判断を見続け、彼女の気丈さを見続け、私たちの価値観への彼女の献身ぶりを見続けてきました。

私は、彼女が、1人1人のアメリカ人に正しく機会を与えるために行った決断を見てきました。その戦いがどれだけ厳しいものであったかには関わらず、彼女は決断を下したのです。この決断こそが、彼女をいつも駆り立ててきたものですし、それは今も、彼女を駆り立てています。だから私は、このとてつもない旅の始まりから私と共にいてくれた、あなたたちに最初に知ってほしいのです。私が、彼女に賛成していることを。

私は熱く燃えていますし、そこに出て行って、ヒラリーのための選挙運動をするのが待ちきれません。私は、投票をすることにしたみなさん、私たちの候補者のために、とても一生懸命に活動した皆さんにも、感謝したいと思います。これは、激戦の競争でした。今回の予備選挙が、民主党を今までよりも分裂させてしまった——そう言う人たちがいるのを、私は知っています。そうですね、その人たちは、8年前にも、やはり同じことを言っていました。ですが、まさに8年前と同じように、今回も、自らの票を初めて投じたというアメリカ人たちが何百万人もいるのです。これは、民主党員に限りません。

そして、次の話は、バーニー・サンダース上院議員のおかげによるところが大きいものです。彼は、とてつもない選挙運動を展開しました。私は今週、彼と会談を行い、そして、彼に感謝しました。経済の不均衡や、私たちの政治にお金が与える過大な影響といった問題にスポットライトを当ててくれたこと、そして、若い人たちを選挙の過程の中に呼び込んでくれたことに。そのメッセージを受け入れることが、私たちが11月に勝つ上での助けになるでしょう。ですが、もっと大事なのは、このことが民主党をより強くし、アメリカをより強くするということです。

クリントン長官とサンダース上院議員は、この予備選挙中は競争相手だったかもしれません。ですが、彼らはどちらも、この国を愛する愛国者です。そして、彼らはビジョンを共有しています。私たち皆が信じる、アメリカの形に向けて。

希望に満ちあふれたアメリカ。

心の広いアメリカ。

強く公平で、そして、どの子供にも、私たちが得てきたのと同じ変化を与えるアメリカ。

これらは、私たちを民主党員として結びつける価値観です。

これらは、アメリカを素晴らしいものにする価値観です。

これらは、この選挙で試されることになる価値観です。

そして、もし、私たち皆が一緒になって、共に努力するなら、私には、私たちがただ11月に勝つだけでは終わらないという確信があります。私たちは、私たちのこれまでの進歩を足場として、より明るい未来を勝ち取るでしょう。私たちが愛する、この国のために。

クリントン氏は、自らのTwitter上でオバマ大統領の支持に感謝を示した

一緒に戦えることを光栄に思います、@POTUS(オバマ大統領)。私は燃えている。準備万端だ!-ヒラリー

一方、共和党候補指名を確実にしている実業家のドナルド・トランプ氏は、オバマ大統領のクリントン氏支持に対して、自らのTwitter上で噛み付いた。

オバマがインチキのヒラリーを支持した。奴は、オバマ政権をもう4年続けたいようだが、他の誰も望んでないことだ!

トランプ氏の非難に対し、クリントン氏は自らのツイッター上ですぐに反撃した。

Twitterからアカウントを消しなさい。

クリントン氏と予備選を争ったバーニー・サンダース上院議員は、ホワイトハウスでオバマ大統領と会談し、共和党大統領指名候補者であるドナルド・トランプ氏の勝利を必ず阻止する考えを記者団に語った。サンダース氏は、クリントン氏支持を表明せず、選挙戦の候補者選びから撤退する意思のないことを語った。

AP通信は6日に、クリントン氏が11月の大統領戦で民主党候補の指名獲得に必要な代議員数2383人を獲得し、指名候補者に選ばれたと報じた。7日にはカリフォルニア州など4州での予備選に勝利し、大多数の代議員数獲得した後、クリントン氏は夜に勝利宣言を行った。

オバマ大統領は、数カ月にわたりクリントン氏支持を示唆する発言をしていたものの、クリントン氏の指名獲得が確定するまでは選挙戦に参加するのは不適切であると述べた。

オバマ大統領とクリントン氏は、6月15日ウィスコンシン州グリーンベイで選挙活動を開始する。

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選挙遊説を行うヒラリー・クリントン氏

ホワイトハウス側近によると、オバマ大統領はトランプ氏からクリントン氏を守りたいのだという。大統領はかねてより、かつてのテレビショーのスターであるトランプ氏を非難していたが、最近の彼の発言に対し辛辣な言葉が増えていた

オバマ大統領は、国務長官として仕えたクリントン氏が、サンダース氏よりも大統領の遺産を継続するのに相応しい資質を備えているとみている。クリントン氏は選挙運動中もオバマ政策との協調を訴え、それこそサンダース氏ではなく自分に票を投じる理由だと発言していた。クリントン氏について大統領は、「特定の問題について、私の考え方に近いのはサンダース氏ではなくクリントン氏だ」と認めていた

オバマ大統領はかつて、サンダース氏自身とその進歩主義的な政治思想に敬意を表するとコメントしていた。しかしこの数カ月、サンダース氏の選挙戦での勝利が続くにつれ、オバマ大統領は、サンダース氏がクリントン氏に大統領候補指名を譲り、彼女の下で民主党が一致団結するよう示唆するようになった

2015年12月の民主党予備選でサンダース氏、クリントン氏とともに戦った前メリーランド州知事のマーチン・オマリー氏は、オバマ大統領がクリントン氏支持を表明した直後、同様に支持する声明を発表した。

「私たちが心に抱いているこの国の将来のため、前国務長官をアメリカ合衆国の次期大統領にするため全エネルギーを注ぐことにする。民主党、独立勢力、共和党はみな、ドナルド・トランプ氏に代表される民主主義へのファシスト的脅威に団結して立ち向かわなくてはならない。今回の選挙での得るものはそれほど多くないかもしれませんが、選択肢は明白だ」

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2012年にミャンマーを外遊するオバマ大統領とヒラリー国務長官

オバマ大統領は2月、政治には妥協と現実主義が大切であり、イデオロギー的な絶対主義に警告を発していた

「各党が自らの実績として妥協への拒絶を声高に主張するのを聞いていると、あまり感心できません。そのようなことは全て、道路を修復し、子どもを教育し、予算を通し、環境を美化し、街中を安全にするといった、多くのアメリカ人が現実的な実績だと考える政策の妨げとなります」と大統領は述べた。

クリントン氏とオバマ氏は2008年に大統領候補として激しい選挙争いを繰り広げたが、後に和解した。クリントン氏は戦線離脱の後、本選ではオバマ氏を支持した。オバマ氏は当選後、彼女に国務長官ポストへの就任を要請し、幾度か躊躇されたものの最終的には受諾された。2人は結局、仕事上でのパートナーシップを育んできた。

選挙遊説中、クリントン氏は彼の政権で仕事をするのにオバマ氏との違いをいかに表に出さないようにしたかについて強調する場面がみられた。

「当然のことですが、大統領に支持していただいて気持ちが高ぶっています。この選挙運動中、私は国務長官としてオマバ政権下で仕事ができたのを光栄に思っていますと発言してきましたから」と、クリントン氏は6月6日に述べた。

ハフポストUS版より翻訳・編集しました。

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