出産を間近に控えているニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が6月10日、テレビ番組「1newsnow」に出演し、女性の"ロールモデル"としての自身の存在について聞かれ、「(自分の存在によって)すべての女性がスーパーヒューマンであるべきだ、という間違った印象は与えたくない」と心中を明かした。
近日中に出産予定を控えたこの日、トーク番組に出演した37歳のアーダーンさん。仕事と両立しながら臨月を迎えた今の心境を以下のように語った。
「私が強く意識しているのは、すべての女性がスーパーヒューマン、あるいはスーパーウーマンであるべきだ、という間違った印象は与えたくないということです。私が今、自分がやるべきことをこなせているのは、ものすごく多くのサポートをしてもらっているからなんです。実際、私はかなり特別だと思う。だから、私は(スーパーヒューマンの)いい例みたいになりたくはない。だって(両立は)全然簡単ではなく、私は本当にラッキーだと思っているから」
彼女はまた、特殊な状況にある自分自身と家族について、「いつも衆人環視だけれども、なるべく自分たちらしくありたいと思います」とコメント。「私の子どもではなく私自身に評価がくだる限り、それは歓迎すべきことです」と力強く語った。
そして以下のように発言を締めくくった。
「私からのメッセージとしては、私は自分のすべきことをやり続けると約束しますということですね。そして同時に、私だってスーパーヒューマンではないとわかっているつもりです」
アーダーン首相の出産に世界が注目。
女性首相の「育休取得」という世界でも珍しいニュースに、国内外から大きな注目が集まっている。
2018年1月に、パートナーの男性との間に子どもを妊娠したと発表したアーダーンさん。出産後に6週間の育休をとる予定だ。育休中はピーターズ副首相が首相代行を務める。
朝日新聞デジタルによれば、アーダーンさんは2017年8月、当時野党だった労働党の党首に就任した。就任翌日に出演したテレビ番組で、子どもを持ちたいかどうか質問され「子どもを産むつもりかどうかなんて、このご時世に聞いていい質問じゃない」と反論し、大きな話題を呼んでいた。
その後、9月の総選挙で議席を伸ばし、ピーターズ氏が率いる第3党のニュージーランドファースト党などと協力した連立政権の首相に就いた。
アーダーンさんは新首相に就任する13日前の2017年10月13日に妊娠を知ったという。1月の会見では「多くのカップルと同じように、妊娠初期なので伏せてきた」と説明していた。
会見では、妊娠について「予想していなかったけど、興奮している」と心境を明かした。