女性用ランジェリーには肌の色の多様性という問題がある。ここで紹介するのは、あるブランドの取り組みだ。
化粧品や衣服業界では、「ヌードカラー」の概念は淡いトーンとみなされてきた。最近では、大小さまざまなブランドが努力してきたおかげで、「ヌード」の概念はより包括的に受け入れるようになってきた。しかし、肌の色について言えば、多様な色の選択肢をもつ必要性は靴やアウターや化粧に限ったことではない。衣服の下にも、ヌードの色が必要なのだ。
下着ブランド「ナジャ」は、クリエイティブ・ディレクターのカタリーナ・ジラルドと女優ジーナ・ロドリゲスが手がけている。10人の多様な肌色の女性をモデルにしたヌードカラーのランジェリーは品揃えが新しい。この会社は「典型的なヌードカラー」のイメージを一新した。
NAJA
このブランドの「ヌード・オブ・オール」コレクションは、5月25日に発表された。色々なタイプのブラジャーや下着のなかから、淡い色から暗い色まで7種類の色を選べるのが特徴だ。どの色が自分に1番近いかわからないお客さんのために、サイトではマック、ナーズ、ロレアルなどの化粧品を使って、近い色の情報を提供することで、色を比較できるようにしている。
さらに、広告を飾っている10人の女性のほとんどは、SNSを通じて見つけた人たちだ。#1のヌードカラーは、サンフランシスコから来たベネズエラ人バレリーナが着ている。#2のヌードカラーを着ているのはソフトウェアのエンジニアだ。
NAJA
クリエイティブ・ディレクターのジラルドは、「ブランドが打ち出す“多様性”のメッセージをちゃんと伝えるために、コミュニティの中でパワフルな仕事や発言をしている女性を選びました」とハフポストUS版に語った。「従来は男性のものだったポジションにいる女性を採用することは、私たちのストーリーを伝える上で、さらなる後押しになりました」
ジラルドはハフポストUS版に、「ナジャ」を始める前から色々なヌードカラーを発売することに興味をもっていたことや、アメリカ人オリンピック体操選手のガブリエル・ダグラスの演目を見て刺激を受けた、と話した。
「かつて私たちがヌードカラーと見なしていた色のテーピングを、彼女は足首に巻いていました。とても目立っていました」とジラルドは話した。「体操で黒人女性を見るようになったのは比較的最近のことです。彼女の姿はとても印象的でした。それまではヌードカラーについて深く考えたこともありませんでした」
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この気付きから、ジラルドは2014年に「ナジャ」を立ち上げた。ヌードカラーの選択肢を広げるための資金を集めると、「ナジャ」は下着の色を23色に展開して、様々な人たちに試してもらったという。
「何度も何度も、下着のサンプルを試した女性たちから 自分たちの肌の色に合ったランジェリーを着ると、とてもカッコよく見えると語ってくれました」とジラルドは話した。「こうして、このプロジェクトが本当にパワフルなものになるだろうと私は気がついたのです」
NAJA
しかし、「ナジャ」の目指すゴールは、ヌードカラーの新しい選択肢を提供するだけではない。これらの女性たちや、そしてナジャで買い物をする他の女性たちのストーリーを伝えることが目標だ。
このキャンペーンの一環として、「ナジャ」の広告がニューヨークのブルックリンの地下鉄駅を占拠し、乗客たちには自分たちの肌の色に合ったカラーの前で自撮り写真を撮ってもらった。そうして撮影された自撮り写真は、地下鉄プラットフォームの柱に貼られた。
また、「ナジャ」がモデルではない女性たちを起用すると決めたことは大きな衝撃を与えた。
NAJA
上の写真の左から2番目のクリスティン・ミンジ・シャンは女優として活動しながら、アジア人からアメリカ人まで多様なアーティストたちのプロモーションを非営利で行う団体のエグゼクティブ・ディレクターとしても働いている。彼女自身は、これまで自分の肌に合ったヌードカラーを一生懸命探したことがなかったが、「広告に出たことで自信を持つために大事なことを教わった」とハフポストUSに版にコメントした。
「自分の仕事を通じて、有害なマーケティングや文化規範がどれほど影響があるかが理解できました。そしてこれらが有色人種として、リーダーとして、アーティストとして、そしてただの人間としての私の人生に、どのような役割を果たしてきたか理解できました」
「このキャンペーンに参加すること、そして人前で自分の下着姿に向き合うことは、私にとって想像できる出来事の中で最も恐ろしいことでした。私は今でも自信を育てながら、このキャンペーンに取り組んでいます」
2015年にこのブランドに参画したロドリゲスは、ずっと多様性を尊重してきた。体のことや民族性のこと、そして他の様々なことを。ロドリゲスは、ミンジ・シャンのように人々を関わらせることで多様性の受け入れを前進させることができると話した。
NAJA ジラルドとロドリゲス
「愛と多様性を目にすることほど、励ましになることはありません。業界や学校や職場だけでなく、私たち自身が多様性を受け入れる過程で目にすることが大切です。理解されること、受け入れられること、表現されること、高められることが、このブランドの全てなのです。今、私たちみんながヌードカラーを着られるのです」と彼女は語った。
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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。