大飯原発、新基準前に評価で9月の定期検査まで稼働へ【争点:エネルギー】

原子力規制委員会は3日、国内で唯一運転中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」とした報告書を了承した。大飯原発は9月に定期検査入りするまで、可動が認められることになった…
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時事通信社

原子力規制委員会は3日、国内で唯一運転中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」とした報告書を了承した。大飯原発は9月に定期検査入りするまで、可動が認められることになった。

原子力規制委員会は、先月19日、原発再稼働に関する新規制基準を策定している。国内すべての原発は、「フィルター付きベント設備」の設置を行わなくてはならないなどの、新基準を全て満たす場合にのみ稼働が認められる。ただし、大飯原発は民主党政権において、2012年7月に政治判断で稼働が認めれられた経緯があり、新基準が施行される7月8日前ではあるが、特別に事前評価を行った。運転中の大飯原発を止めることは、影響が大きいとして、規制委は3月に、7月時点では新基準を厳格に適用しないことを決めていた。

報告書では、今回は「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」としながらも、新規順の施行後の審査については、「対応すべき課題があり、これらに対し適切に対策を講じることが必要」としている。

また、今回の評価にあたり、関西電力側の対応で「対策を小出しに提案して新規制基準を満たす最低線を探ろうとするかのような姿勢」という点については、「新規制基準施行後審査を効率的に進める上で障害になるものと考えられる」と指摘された。

大飯原発は、重要施設の真下を通る断層が活断層かどうかについて調査が続けられており、7月2日に関西電力によって「活断層ではない」という評価結果が出たが、現在も正式な結論は出ていない。9月の定期検査後の審査では、この部分について結論を出す必要が出てくる。

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