危険タックル問題で日大学長、改革求める教職員組合の声明は「見ていない」

学内からの危機感が、執行部側に伝わっているのだろうか。
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アメリカンフットボールの悪質タックル問題の記者会見で、頭を下げる日本大学の大塚吉兵衛学長=25日、東京都千代田区 撮影日:2018年05月25日
時事通信社

日本大学アメフト部の選手が危険なタックルで関学大の選手を負傷させた問題。日大の大塚吉兵衛学長が5月25日午後に開いた記者会見では、学内の危機感が執行部側に伝わっているのか、疑問を抱かせる場面があった。

一連の問題を巡っては、日大の対応に非難も出ている。23日に開かれた内田正人前監督らの会見では、司会者の高圧的な態度にも批判が集まった。学内からも、大学側の対応の改善を求める声が出ている。

日本大学教職員組合の文理学部支部は24日、田中英壽理事長が記者会見を開き、被害者らに謝罪と信頼回復に向けての改革に乗り出すよう求める声明を発表した

「内田前監督らの会見は、司会者の不遜な態度を含め、大学側の不誠実さを広く世に知らしめた」

「日本大学の信用は地に落ちるばかりであり、大学、付属校の存続にも関わりかねない」

危機感がにじみ出る声明に、Twitterなどでは「激しい憤りの中にありながら、冷静さ、礼儀、尊厳を保った良識ある大人の言葉だ」「素晴らしい声明」などと賞賛する声が相次いだ。

ところが大塚学長は25日の会見で「教職員組合文理学部の声明をどうお考えか」と問われると、「実際の現物を見ておりません」と、内容を把握していないことを明らかにした。

■田中英壽理事長の会見は開かない方針

会見の中で大塚学長は「あってはならないような危険な反則行為をしてケガをさせ、責任を感じている。お詫び申し上げたい」と謝罪したが、報道陣からは「なぜ(学校法人のトップである)田中(英壽)理事長が会見しないのか」と、大学側の姿勢を問う声が挙がった。

大塚学長は「今回の事案に対して、どこまで必要かは私は判断しかねるのですが、私が責任者という形になっていますので、それ以上のことが浮かんでいないのが実情です」と述べ、田中理事長による会見の必要性はないという姿勢を示した。