アメリカ合衆国が、毎日世界中の携帯電話のデータ50億件を収拾していると12月4日、「ワシントン・ポスト」が伝えた。
アメリカ中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン氏からワシントン・ポストに提供された内部文書で明らかになった。
ワシントン・ポストによれば、世界中の携帯端末から情報を引き出し、「巨大な監視装置」による分析を通じて個人の動向を追跡、その人の交流関係を記したマップを作成しているという。
「世界中の携帯電話の位置情報から不特定多数の人の居場所や行動に関する情報を収集している」と、ある政府高官が匿名を条件にしてワシントン・ポストに語った。
この情報収集活動は、世界中に張り巡らされている携帯電話のネットワークケーブルを通じて行われている。その中には、毎年ビジネスや旅行で携帯を所持して海外に行く数百万人のアメリカ人も含まれている。
■「携帯は世界でどこでも簡単に特定できる」
ワシントン・ポストは「分析官は世界中で携帯を簡単に特定でき、過去の動向もチェックされている。携帯を使っている人は、自分では隠していると思っている人間関係まで暴露されている」としている。
アメリカ国家安全保障局(NSA)を監督する国家情報局のロバート・リット相談役はワシントン・ポストに対し、この情報収集活動は合法的なものであり、アメリカ国外に限定したものだと述べた。
リット氏は「あらゆる機関の監督下にある諜報部門には、アメリカ国内の携帯の位置情報を意図的に一括して収集する組織は存在しない」と述べている。
NSAがこれほどの携帯のデータを収集できるのは、彼らが使用している分析ツール「コー・トラベラー」で標的となる監視対象者の記録を幅広く収集しているからだという。
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