NTTドコモが、スマートフォン向け放送サービスNOTTVを2016年6月末で終了すると、目立たないように発表した。やっぱりNOTTVは失敗だった。
2014年3月に、「専用無線から汎用無線への転換が求められる」という記事を、ハフポストに投稿したことがある。そこにも書いたように、NOTTVのビジネスモデルは古臭く、スマートフォン全盛の今には合わなかったのだ。2012年2月にも、言論プラットフォーム・アゴラに「NOTTVの普及はむずかしい」と題する記事を書いたことがある。だから、僕にとっては予想が現実になったに過ぎない。
NOTTVへの免許交付の際、他の技術を担いだ事業者が対抗し、どちらに免許を与えるかについて大きな争いが発生した。そして最後に、総務省はNOTTVを選択したのである。争いの記録は、僕が投稿したアゴラの記事に一部だが残っている。「プロフェッショナルな立ち位置に立ち、それだけのスタッフを持ちしっかりした評価」を行ったと、当時、総務省は自信満々だったのだが。行政が市場を読むのはむずかしい。市場で戦っている企業に、市場のことは委ねるのがよい。
携帯端末の値引き競争を、今、総務省が力任せに止めようとしている。しかし、総務省には、携帯端末の値引きを制限して失敗した過去がある。今改めて規制して失敗するよりも、市場に委ねるべきだ。
総務省は、第四の通信事業者を参入させる、電波オークションを導入するといった、王道の競争政策を進めるべきだ。